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2009年5月

2009年5月28日 (木)

脊髄はただのケーブルではなかった/ 命綱

脳から細長く背骨の中を降りていく脊髄。
脊髄は脳からの細胞が細く細く延びていて、脳の指令を手足に伝える大事な「ケーブル」と考えられていました。

スーパーマンを演じた俳優が落馬により脊髄損傷を起こし、麻痺を起こしたことを思い出される方も多いでしょう。

脊髄には脳からの情報を振り分ける機能を持っているという報告がありました。

ところが、脊髄はただの「ケーブル」ではなく、混乱した情報が脳からもたらされても、情報を整理して合理的な運動をするための「第二の中枢」として機能していることが報告されたのです。

なかなか面白い報道です。
生物の神秘の泉は無限の深さを湛えています。

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2009年5月27日 (水)

片頭痛の頻発化

頭痛の本をリメイクしているのですが、新しい章立てをしました。
それは、「頭痛が頻発する」という章です。

もともと頭痛持ちの方は、月に1、2回の頭痛を経験されると思います。
女性であれば月経時に多い。

ところが有効な治療を行わないと数が増えてしまう。

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2009年5月25日 (月)

新型インフルエンザに対する提言/感染症学会

日本感染症学会が重要な提言を行っています。
その中でも、重要なのは、

② 新型インフルエンザは、いずれ数年後に季節性インフルエンザとなって誰で も罹患しうる病気です

という所です。つまり、今回のトンフルも毎年はやる通常のインフルエンザの一つに組み込まれるだろうということです。
流行するかしないかは別ですが。

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2009年5月24日 (日)

遺伝子検査の目指すもの/何がしたいのか。

新型インフルエンザがヒトーヒト感染を繰り返しているようだ とういう報道がなされました。

まあ、そうだろうなぁ と どの方も感じていると思います。
同時に
でも、しょうがないよね とも思っています。

そして、『遺伝子検査はどうしてやったり、やらなかったりなの?』と思っている方も多いのではないでしょうか。

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2009年5月23日 (土)

進化生物学からみたトンフル/ 新型ウイルスの戦略

迷惑な進化―病気の遺伝子はどこから来たのか 迷惑な進化―病気の遺伝子はどこから来たのか
Sharon Moalem Jonathan Prince 矢野 真千子

日本放送出版協会  2007-08-25
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新型インフルエンザは弱毒でしたが、それはウイルスの戦略として成功したのかもしれません。
ウイルス側から物事を見ると色々なことが見えてきます。
この本は新しく執筆している本のために、深く読みこんだ本の一つです。

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2009年5月22日 (金)

新型インフルエンザ/マスク狂想曲の終焉/弾性的な対応/不顕性感染/糖尿病と妊娠

屋外でのマスクの予防的着用は不要で、感染拡大に有効 との見解が出されました。アメリカでの高校生もマスク着用にもかかわらず感染したようで、予防作用より、感染拡大防止というほうが正しいようです。
もう少し待てば、マスクも潤沢に出回るでしょうから、あわてなくて良いようです。職員の方もキオスクで見かけたといっていました。通常の価格の何倍の価格でも、とりあえず購入する、というのは控えましょう。

新型インフルエンザに対して、政府が弾力的な対応をするように対応を見直す との報道もなされました。

どちらも迅速な対応で良いものです。
関西地区への旅行者や海外からの帰国者に新型インフルエンザの報告がなされています。

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2009年5月21日 (木)

正しいけれども非現実的/大切なのは実際の生活/インフル・トンフル・トリフル

新型インフルエンザ(豚型FLU・やがて、鳥型の新型(トリフル)が出ると紛らわしくなるので、トンフルと呼びましょうか)に対して、「科学的にまんえんする形態を明らかにするために、できるだけ全例の遺伝子検索を徹底させたい」と厚生労働省が発表していました。
疫学的には正しいかもしれない。

「あなたは新型インフルエンザ患者を診た。だから濃厚接触者になる。従って1週間の医業停止が望ましい。」という通達。
理論的には正しいかもしれない。

でも、実際の現場からは乖離しています。
大切なことは、トンフルを季節性の通常インフルエンザ(インフル)とそれほど分けて考える必要があるか否かということです。

インフルが流行する季節にまで、トンフルの流行がずれ込む可能性もあります。
毎年インフルが流行り、何万人もの方が罹患します。
これから、全例に多大なコストをかけて遺伝子検査をして、トンフルであるか否かの調査をする必要があるのでしょうか。

トンフルは前提条件になっている簡易検査をすり抜けやすいとも言われています。
簡易検査陽性者に遺伝子検査を行うということ自体が、疫学的に破綻しています。
しかも、臨床的にはトンフルとインフルは区別できません。
そこに全ての回答があると思っています。

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2009年5月20日 (水)

秋葉原の古炉奈

Colona2 秋葉原の老舗の喫茶店、古炉奈に行きました。クリニックの目の前なので、時々お邪魔していたのですが、週間アスキーによると閉店するかも との事でした。

Colona1_2 いつもの階段を昇ると、いつもの看板。
いい味わいです。
お店の中は写真のとおり。

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2009年5月16日 (土)

神戸のインフルエンザ/ウイルスとヒト

海外へ仕事や、旅行で行き来する人々の多い日本。

他国よりもやりすぎ、といわれていた日本の検疫でも、完璧ではありませんでした。
全ての人についてウイルスの存在を調べる術がないからです。
発症した人しか調べられない。

今回の国内発症も予想されていたものでした。
海外からの帰国者全員のウイルスの有無を、発症前にチェックするのは不可能だからです。

国内をクリーンに保つというのは、そもそも不可能です。

今後、検疫のあり方、治療のあり方を柔軟に変更していく必要があります。

飛行機の中の同席者よりも、はるかに濃厚接触した人々が、既に市中に確認できない形で多数存在しているという現実を直視すべきです。

神戸で起きたことは他の地域で起きる可能性も高いことを示しています。国内に多発する可能性もあります。
渡航後の隔離のあり方を簡素化すべきという現実的な対応になることでしょう。
既に国内に存在しているのに、発症するまえから可能性が0でない、と言うだけで停留が必要なのか。

慌てず、粛々と対応していくしかありません。
ウイルスは人類が生まれるずっと昔から、さまざまな細胞(単細胞の細菌ですら)を宿主として存在し続けてきたものです。
大腸菌に取り付くファージの写真や植物に取り付くタバコモザイクウイルスを憶えていらっしゃる方も多いでしょう。

人の中の検疫を完璧にしても、動物間感染で広がるかもしれません。
魚(海)ー鳥(空)ー豚、牛、昆虫(地)ー人と伝播するウイルスを仮定すれば、ウイルスには国境どころか、伝播の障害物がなにも無い事が容易に想像できます。

私たちは、ウイルスを含めた自然のサイクルの中でしか存在できない生き物です。
私は、今回のウイルスの話題はそういった覚悟を人々に教えてくれているのではないか、と考えています。

2009年5月 9日 (土)

SSRIと攻撃性について

先日、移動中の車内で週刊誌の記事を目にして、思い出して書いた記事ほぼ同じ注意が報告されていました

創薬の本の準備のために読み込んだ本の一つを思い出したからです。

かつて、“美容学的精神療法”、つまり薬物によって“より積極的に、より魅力的な”人になっていくという発想は危険です。

米国ではSSRIはそういった目的でも良く用いられました。
プレゼンテーションをより魅力的にするため、引っ込みじあんを治して社交的になるため・・・

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2009年5月 6日 (水)

医学的治療で治る頭痛/玉石混合の医学情報/治療方法

お会いした頭痛の患者さんのうち数人は、沢山遠回りされていました。
高価な治療方法を試された方もいらっしゃいました。

医学的に確認された、大脳生理学に即した治療であれば、それほどムリなく頭痛は激減します。

御苦労されているのだと思いました。

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2009年5月 3日 (日)

お買い得のワイン/Talent Merlot 2006

連休中は論文と増刷本の改訂を行っています。すごく大変。
新しい文献を読み漁っています。

Talentredwine 値段の割りにとても良いワインを見つけました。
イタリアやフランス、日本の良い畑の良いブドウなら良いワインになるかもしれませんが、高価になりがちです。
でも、テーブルワイン価格なのに、このワインは結構すごいと思います。
Talent 2006 Merlot。

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2009年5月 2日 (土)

一方的なgoogle/谷川さんの感じる危機感

ストリートビューのときもそうでしたが、どうもgoogleは一方的過ぎると思います。

谷川さんらが危機感を発表しました。

彼らは、「人間の作り出したもの、自然に存在するものはすでに全てオープンなのだから、全てに索引をつけて検索できるようにして、何が悪いのか」と考えているようです。

実際、ストリートビューの時には「道を歩けば周りの風景がみえるだろう。それをインターネット上で再現しただけ。」と回答したといわれています。

それでは書籍は?

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