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2009年5月24日 (日)

遺伝子検査の目指すもの/何がしたいのか。

新型インフルエンザがヒトーヒト感染を繰り返しているようだ とういう報道がなされました。

まあ、そうだろうなぁ と どの方も感じていると思います。
同時に
でも、しょうがないよね とも思っています。

そして、『遺伝子検査はどうしてやったり、やらなかったりなの?』と思っている方も多いのではないでしょうか。

新型ウイルス、トンフルは症状が激烈でなく、急速に広まることが特徴でした。
こういった特徴を鑑みて、対策を振り返ってみる必要があります。

新型=強毒=水際作戦、封じ込め という硬直化した対策は適切ではないことがわかります。もし、本当に感染者数が知りたいのなら、日本中のサンプルの市民をランダムに抽出して遺伝子検査すべきでしょう。

症状を発症した人のみ遺伝子検査したり、簡易検査の陽性率もはっきりしないのに、簡易検査陽性者を隔離することは、不顕性感染者をとり逃しているので、疫学的に無意味です。

こうなってしまった後の、現在の遺伝子検査は何をしたいのか、全く不明です。
学問的な疫学調査に役立たせたいのか、それとも医学的な究明心からか。
封じ込めが出来るかもしれない初期では意味があったのかもしれませんが。

今後は意味が見出せるときだけでよいのではないでしょうか。

通常のインフルエンザの治療をするのですから、少なくとも、遺伝子検査結果は治療方針には役に立たない。このように『まん延』している状況では、『ある人が陽性』という情報はone of themであって、意味を持たない。何を目的にしているのでしょうか。

『日本は世界で4番目に感染者が多い』と報道されていますが、『日本は世界で4番目に多く感染者数を検出する能力を持っていた』に訂正すべきでしょう。
でも、これは褒められるべきものなのでしょうか。
封じ込め失敗を明らかにしているだけにしか、私には見えません。
でも、そもそも、人類は今回のウイルスを封じ込める能力を持っているのでしょうか?
不顕性感染者を多数出す、弱毒ウイルスの封じ込めのノウハウは人類は持ちえていません。

それゆえ、今回、他国は意味を見出せず、簡易検査も遺伝子検査もそれ程していません。私たちは、関西圏への経済への打撃と税金の無駄遣いを増やしただけではないのか。


強毒性で封じ込めを絶対にしなくてはならないのなら、そのとき、遺伝子検査の意味が生まれます。

新型、旧型ではなく、
絶対に封じ込める必要がある有害性の高いウイルス → 遺伝子検査(感染者を取り逃さないため)
新型でも様子見でよいウイルス → 通常の診療

で良さそうなことを学んだといえます。
強毒性鳥フルの時と、今回のトンフルは分けて考えた方がよいでしょう。
分けて考えないので『命の方が大切だから・・・』と言って、あまり意味の無い高価な検査を続け、その結果に右往左往することになってしまいます。

最初はどんなウイルスかわからないので、遺伝子検査してもよいと思います。
でも、時間が経ち、弱毒と判明した場合、不顕性感染者も多数発生するので、遺伝子検査は意味を成さなくなる。

もともと、海外では、インフルエンザだから即ちタミフルという図式すら成り立ちません。
十分な休息と補水が推奨されています。

発熱も咳も無い感染者が沢山、市中にいらっしゃる(いらっしゃった)のではないでしょうか。
症状がまったく無い方に、PCR(遺伝子検査)を行い、陽性だからといって隔離する事が適切なのか。たまたま見つかっただけの方を。本末転倒です。
通常のインフルエンザは解熱後2日で社会復帰してよいと考えられていますが、PCRをかければ、そういった人々にもまだウイルスの遺伝子は残っています。
遺伝子陽性だから、出社、登校禁止でしょうか?

いつものインフルエンザは良いのに、今回は新型だからダメなのでしょうか。

我々の免疫システムは感染してもインフルエンザウイルスを排除してしまうのですから、元気なまま終わるのなら、それでよいのです。
知らないうちに新型インフルエンザにかかって治られた方も多いでしょう。
普通の風邪のウイルスのように。

明日は、感染症学会の重要な発表についてお書きしようと思います。

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