夏の俳句/アゲハの記憶・テントウの空/陽の記憶羽に焼き付け揚羽蝶
夏が近づいてきました。
子供の頃、湿地のセリを踏み分け大きな蝶の幼虫を捕まえてきて、サナギを経て、羽化させたことを思い出します。
ミカンの木で見つけた幼虫を大切に飼ったところ、大きなアゲハ蝶に育ちました。
大きくて美しい揚羽蝶でした。
陽の記憶羽に焼き付け揚羽蝶
燦燦と降り注ぐ太陽の光を浴びていた大きな幼虫。
その頃は美しさもなく、淡色の目立たない、葉の上を這う虫でした。
ところが、羽化したとたん、大きく美しい極彩色の羽を広げました。
キラキラ光る燐粉。
この煌きは太陽の光を詰め込んだものに違いありません。
そのことを詠みました。
私は一緒に生きている仲間のような気がするので、生き物の事を詠むのが好きです。
もう一句。
虚空へと羽ばたき去りぬ天道虫
テントウムシは群れて飛び立つことはありません。
しかも、木を目指すセミのように、花を目指すミツバチのように、何かを目的として飛ぶ様子でもありません。
青い大きな空へ、赤いテントウムシは一人ぼっちで飛び立ちます。
それが自然と言うものなんだと思って詠みました。
俳句は風景を見て沸き起こる、人の心を小さな無限の宇宙に切り抜いてくれます。
水滴が落ちて、広がっていく共感の波紋を他の人と共有できる。
その最初の一滴が俳句だと思っています。
俳句は、さまざまな香り立つ季語が美しい。
師匠に教わらなくてはならない身ですが、宇宙を小さな言葉で切り取るワクワク感は何ものにも変えがたいものです。
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