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2009年12月13日 (日)

頭痛学会の発表その2

何よりも、名古屋の寺本先生、脳外科の永関先生が『片頭痛の治療がきちんとなされていない』と明言されていたのには、心からうなづきました。

そう思っていても、なかなかこういった表舞台では明言されなかった事実です。

寺本先生は、『緊張型頭痛はそれだけが輪郭がはっきりして存在する頭痛ではなく、片頭痛、精神的なもの、ストレスなど、さまざまな要因にまとわり付く〝症状〟のようなもの』と発表されていました。

正にそのとおりです。

慢性的に頭痛が起きていると、『肩こり頭痛ですね』『首の骨が真っ直ぐです』『なで肩だからですね』などという表現でごまかされてしまっているのが、誤診であることを示されていました。

新版 頭痛の中で、思い切って清水の舞台から飛び降りる気持ちで、そのことを言い切ってお書きしておいて良かったと思っています。

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良くなられて行く方々の声に静かに耳を傾けることが大切だと思いました。

数多くの専門医が治療を行った結果、独立事象として同じ点に帰着するというのは、やはり、真実を語っているのだと思います。

寺本先生と同様、患者さんをご紹介させていただいている札幌の北見先生からは、首の痛みと頭痛の関連についてお話されていました。
頸原性頭痛というものです。

重要なのは、脳などの神経システムの活性化(『中枢性感作』)であり、決してX-P線で調べられた首の骨の並び方ではないことを示されていました。

『中枢性感作』とよばれるこのメカニズムは、片頭痛の慢性化にも大きな意味をもちます。 首が痛いから、首だけに原因があるわけじゃないのです。
首を揉んでも、引っ張っても意味は少ない。
脳が作り出している痛みだからなのです。

懇親会で北見先生を見つけられなかったのがちょっと悲しかったです。

私は外来で、患者さんにストレートに『中枢性感作と脱感作』という医学用語をそのまま使って説明しています。

いろいろな地区の医師会の先生方にお伝えしたスライドを少し改変してご説明していたのが、不安だったのですが、あまり間違っていなかったのだと、勇気付けられました。
予防薬が必要であるメカニズムもそこにあります。

(続く)

ここのところ、あまりに忙しく更新がおろそかになってしまったことを反省しています。
申し訳ありません。

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03.頭痛、神経内科」カテゴリの記事

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