池田昌子さん/鎌倉投信の素晴らしさ/宇咲冬男の俳句/メーテルの声の癒し
今日、鎌倉の円覚寺で行われたメーテルの声優でいらっしゃる池田昌子さんの
『江戸物』にうかがいました。
全席溢れんばかりの様子でした。
素女性の悲哀と、そして、優しさが伝わるお話、
二話j構成です。音楽も場を盛り上げます。
声だけで、状況が伝わる。
一緒にいらっしゃった、鎌倉投信の鎌田さんにも喜んでいただきました。
鎌田さんとは軽井沢の会合でお会いした、
良き魂をお持ちの方です。
その後、古民家をリフォームした最新型投資本部におじゃましました。
古民家に最新型ハイテクが詰め込まれていました。
ハイテクが昭和にまざったブレードランナーや殻殻機動隊のような感じです。
是非、富士ゼロックスの仙石さんにもお話したいです。
掛け軸にあった俳句はこちら。
『いかめしき音のあられや桧笠』
檜笠に叩きつける霰(あられ)の音を歌った句です。
品川の泊船寺にある句碑です。
私の新春の元の俳句のしょうも無い
「巡る時色が戻りし若菜野や」を
師匠の宇咲冬男先生は
『若菜野や巡りて色の戻り来し』
と添削してくださいました。
素晴らしい。
その後、宇咲先生に芭蕉の句についてお話をお伺いしました。
芭蕉の句は、
硬い檜を薄くした笠に霰がぶつかる音を語ったものです。
冬の季語である 霰(あられ)。
氷雨ではなく、大きな氷の固まりです。
寒い街道を、あるいは坂を登る芭蕉。
擬人化された『いかめしい』(不機嫌で恐ろしい、あるいは強い)霰が彼らを襲います。
その逆風の中を進んでいく。
いつ止むかわからない厳しい自然。
檜笠にぶつかるバラバラバラという音。
そういう風景に私達は何を思い出すでしょう?
寒さ
孤独
あられで潰される街道の苔の匂い
使命(密使ともいわれています)
何かを急ぐ心・・・
私は、
「打たれても、
(たぶん)真実を見抜いている自分を信じて、
前に進むこと」では無いかと思っています。
あられ は災難のようなもののようです。
人知を超えたもの。
努力では致し方がない。
でも、一歩ずつ進めば、「晴れ」もあり得るでしょう。
芭蕉が素晴らしいのは、
自然の引き起こす何気ない見過ごしがちな変化に、
多くの人々が心を動かす
『普遍的な何か』を句に“ピン止め”する能力です。
宇咲先生も
私の句に普遍性を与えてくださいました。
巡りて・・・と描けば“時”は要らない。
巡りて色の戻り来し
と現せば、
万全では無い、
あるいは衰え続ける私たち。
時間はめぐり続け、
でも、また春を迎えられたことをうれしく思い続ける心は衰えず、
だからこそ、また春の七草が咲き乱れる姿を見て、
「また生き残れた」と思い、顔色に反映するという
人の人生の普遍性を描くこともできます。
それが、「ピン止め」できる能力です。
春、ハルは未来です。
これが才能というものでしょう。
さすが。
鎌田さんが全力でリフォームした古民家にあった掛け軸は、
そういった句でした。
再生可能な、そして、人々のためになるものになる
だからこそ富を生むというシステムのお話を伺いました。
岡山で行われている間伐材のお話は、
私を割目するものでした。
社会が納得するものは、
人々が応援してくれる。
そこに富が生まれる。
誰かが損をして、誰かが得をするという
FXのようなゼロサムではない。
社会に人々の智恵で富が増えるシステム。
お食事をしたところが「七賢人」。
いろいろなことが奇跡的な1日でした。
奇跡が重さねて、
日常にするのが職人というものだとも
思っています。
シビアな世界に生きてらっしゃる投資家であるのに、よき魂を持つその姿は、
私の魂を救いました。
それは、芭蕉の句の様に、
多くの人々の心を捕まえるものです。
七賢人での、
本当に長時間のディスカッションありがとうございました。
次回、掛け軸に対面するときには、
芭蕉の気持ちをくんで、お会いできると思います。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
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