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2011年12月19日 (月)

東京医科歯科大学神経内科の会合 / 道川先生おめでとうございます

先日、赤坂茶寮という居酒屋さんで医局の会合がありました。
みんなで各自、食事代を集めて、
居酒屋さんというリーズナブルなスタイルで良いものです。
席は満員。

時間間違えて、少し早めに着いたので、
おとなりの日枝神社に来年の無事をねがってお参りに行きました。

111217_181701 夜の鳥居の周りは一足先の
お正月の準備がなされつつあります。

坂を登ると、
初詣を待つ準備がなされていました。

111217_182201 夜の神社も
厳かな雰囲気で気持ちが落ち着きます。
塚越初代教授や水澤教授のご挨拶も
含蓄深いものでした。

神経細胞培養やアッセイの方法を基礎から教わり、
学位論文作成まで指導してくださった
道川誠先生が名古屋市立大学の教授に就任されました。
そのお祝いの会でもありました。

細胞培養の技術が神経内科医局に根付いたのは、
なんとDubowitz先生のところにいらっしゃった筋肉培養の小林先生や
神経バリア機能の神田先生
プライマリカルチャーの道川先生のおかげです。

今でも頭痛のお仕事を一緒にさせていただいている
富永病院の竹島先生は、
水澤先生の小脳細胞培養のために紹介でお会いしたご縁です。
日本医大の先生方や(元)順天堂大学の望月先生とは、
病的遺伝子を導入したセルラインの細胞死の研究へ発展させることも出来ました。

今、私がヨーグルトの培養を完璧にこなせるのも、
道川先生のおかげです。

ターゲットとなる脳の神経細胞を顕微鏡で観察しながら
ピンセットの先で取り出し、
酵素処理をして細胞を殺さないように分散し、
コーティングしたディッシュの上にまいて、
二酸化炭素ボンベをつないだインキュベーターで
抗生物質を極力入れないでコンタミしないように培養する。

そういった技術からみたら、
自宅でコンタミさせないで乳酸菌を培養するなんて超簡単です。
芸は身を助けます。

本当におめでとうございます。
道川先生はどんなときにでも明るく、
心が折れそうな後輩も育て上げる能力に長けている先生で、
教育者として最も尊敬できる方のお一人です。

古い第五研究室で、神田先生と山脇先生
ガラス板でガングリオシドの質量分析をやっていたのも
懐かしい思い出です。

ALSの研究班での若い先生の発表が、
外部の先生から大変に高評価を得たとの教授からのご説明がありました。

医師の自主的な集まりである医局は、
正式な組織ではないため、
長である教授の先生の方針だけでなく
所属する先生たちの心意気に支えられています。
そのため、組織的に脆弱な側面もあります。

一生懸命働けば、出身を問わずないオープン性と透明性を有していて、
各方面でそれぞれ良い仕事をするスペシャリスト達が存在し、
しかも、それぞれの先生の帰属意識の高い組織の場合、
非常に強い力を発揮する集団となるということを実感しました。

iRNAを用いた治療方法や筋電図など横田先生の斬新な発想のように
たくさんの事に精通した一人の先生が発想するアイディアが結果につながるという
ミクロ的なインディビジュアル・インテグレーションと、
あることに精通した複数の先生たちが協力し合って結果を出すという
マクロ的なシステミック・インテグレーションが平行して進んでいます。

メディカルな分野は、
全体を常に俯瞰しながら、
ミクロ的な専門性の中で突破口を見つけていくという繰り返しですので、
理想的な環境と言えると思います。

こういった教室を束ねる教授陣の運営方針や石橋医局長の采配は、
組織論的に大変に参考になるものです。
勉強になります。

そういった「培地」の中で、若手が楽しそうに
どんどん育ってくる勢いも感じました。
若者たちが助けあっている。
入局するなら、こんな医局がいいなぁと思いました。

塚越教授(前)、水澤教授、道川教授が
上座にニコニコして座られて、
医局員が自由に席を移動して歓談する姿は、
辛かった時期を顧みると
本当に見ていて涙が溢れるほどうれしい会合でした。

久しぶりに綿引先生や和田先生、織茂先生など
キラ星のような大先輩の先生たちともゆっくりお話できて、
本当に良かったです。
綿引先生は、
相変わらず嫌味のないクールさで私を含めて観察されていて、
時間を忘れて話し込んでしまいました。

若い先生方や和田先生から
石川先生の最先端のお話もダイジェストして伺うこともできて
とても勉強になりました。
若い先生はとても勉強熱心で、
理解の遅い私に、エッセンスを一生懸命伝えてくれました。
ありがとう。

広い部屋だったのに、
若い先生方や有名な各先生の熱気が部屋に充満していて、
まさに、インキュベーターの役割を果たす医局。
来年へのエネルギーをいただけた気がしました。

『忙しいなんて言っている人間は、雑に急いでいるだけだ』と看破された
古川哲雄先生を思い出していました。
オフィスにアポとってお伺いしなくては。

開業しながらも医局員であるということが教授に認容され、
なんとか始めた新たな試みも、5年目を終えようとしています。

開業のさまざまなノウハウは、
必要とあれば、医局の小さな揚力の一つとなります。
独立行政法人化後の新たな医局が有すべき、
ボランティア的なコンサルティング能力のさきがけとなることでしょう。

医師たちが、どんな形に進んでも、
仲間でありつづけられる懐の深さの大切さを、
イーブンな視点から水澤教授は常に説かれてきました。

開業か医局(ローテート)かという二者択一の考えはもう古い。
行ったり来たりの可能性も生まれつつあります。

増加する女性の医師たちにも重要なことです。
教授の思想はそこもインテグレーションしている。
未来の形は作っていくのだということを教わりました。

本当に、
本当に、道川先生、おめでとうございます。

三條先生とアメリカ神経学会に同行させていただいたのも良い思い出です。

そして、会を取り持ってくださった幹事の先生方、
お休みなのにお仕事してくださった秘書の皆さん、
お疲れ様でした。

また、どこかでお会いできることを
楽しみにしております。

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