ヒドロキシ酪酸は主要経路 / ケトン体は主役
メタボリックシンドロームの解決のため、
エネルギー制限を行って脂肪代謝が促進するとと、
必ず「ケトン体」というものが上昇します。
ケトン体にはアセト酢酸やアセトン、ヒドロキシ酪酸がありますが、
主としてヒドロキシ酪酸がエネルギー源となります。
これまでの医学では、
「ケトン体が上昇するのはブドウ糖が足りない不健康な状態」
とされていました。
最近では、多くのヒドロキシ酪酸が健康なときにも常に血液中を流れていることに
注目が集まっています。
ヒドロキシ酪酸は単位重量あたりのエネルギーも大きく、
利用しやすいため、ブドウ糖よりも組織では使いやすいエネルギー源です。
血糖値が60から180mg/dlと変動するように、
ヒドロキシ酪酸も30μmolから1000μmol位を変動します。
私のヒドロキシ酪酸は300μmolぐらいで、
激しい糖質制限食の方よりは少なめで推移しています。
アセト酢酸はほとんど無いことをみると、
体は、糖新生で不足している分だけ
上手にヒドロキシ酪酸を作っていることがわかります。
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試しに、走る前のバナナや糖質ゼリーを摂取せずに
10km走ってみても何も変わらなかったので、
この距離だけの時には、今では水だけ飲んで走っています。
体脂肪が有り余っているメタボな状態であれば、
燃料(中性脂肪)は有り余っているので、
糖新生の酵素が誘導され、末梢でのヒドロキシ酪酸の利用が上手になっていれば
糖の補給が無いことは問題にならないわけです。
ただ、朝は脱水になっているので、
ネイサンに水をつめて走りながら
喉が渇く前にこまめに水を補給しています。
大量に飲んでから走るのは腹痛につながります。
世の中は動いています。
今は、ウエストやLDLコレステロールをメタボリックシンドロームの基準にしています。
そのうち、アディポサイトカイン量がそれに取って代わるかもしれません。
LDLや総コレステロールは結果に過ぎないからです。
犯人ではなさそうです。
「LDLが動脈硬化を促進する」のではなく、
「LDLが高くなる時の何かが動脈硬化を促進している」のかもしれません。
それは、アディポサイトカインかもしれないし、インスリン抵抗性かもしれないし、
グルコーススパイクかもしれませんし、ω3の不足なのかもしれません。
「ケトン体」も同じことです。
計測するから値がわかり、意味を生み出します。
今の走って泳いだあと診療するエネルギーを支えているのは、
ヒドロキシ酪酸が主で、ブドウ糖が従です。
日常生活に問題なく、採血もメタボの観点からは何ら問題ありません。
ヒドロキシ酪酸系は主要経路になり得るわけです。
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