頭痛の講演会 / 出雲の国で / 肩こり体操
先日、島根県松江市で開催された
ペインクリニック学会にて頭痛の講演会をしてきました。
到着時には雷雨で、夜の米子飛行場に直接雷が垂直に落ちてきていました。
祝砲のようです。
松江にはタクシーでしたが、雨がたたきつける細い道路と
左側の中海が一体化していて、海の上を走っているような幻想的な風景でした。
山の向こう側で雷が光るたびに、風景が反転します。
因幡の白兎の国にきたのだな・・・と思いました。
慢性化した頭痛はつらいものです。
2ヶ月ほど前に抄録といって、講演会のダイジェストをお出ししました。その中で私は、
「慢性的な頭痛の治療は、慢性的な疼痛治療を行っているペインクリニックの治療のすそ野に位置しているので、専門の先生たちとコミュニケーションをもてることは大きな喜びです」という内容のことをお書きさせていただきました。
座長をしてくださる、前田倫先生(大阪大学臨床教授)と
打ち合わせをしました。
スナフキンのバッチをしていらっしゃったので、理由を聞くと、
「自由を愛するから」という答えでした。
以前、私は、斉藤和義さんのギターとスナフキンのおさびし山について考えたこともあったので、懐かしかったです。医師はスナフキンが好きなのかも。
今回の講演会は、仙台で行った講演会でお会いした
仙台ペインクリニックの伊達久先生の
ご推薦もあってのこととお伺いしました。ありがとうございます。
9時からの学会でしたが、1時間早い8時からの講演会なので、
ちょっと心配していましたが、大丈夫でした。
速報では、200人を超える先生方が集まってくださったとのことです。ちょっとホッとしました。
冒頭に、肩こりの体操についてお話しました。
もともと少ないといわれていた子供の緊張型頭痛が、
多くの子供達に広がっているという背景を受けての社会的ソリューションの一つです。
なんとか曲をつける試みを続けています。
ついで、頭痛が慢性していく過程を、それぞれの年代の患者さんの生の音声とともに解説していきました。数年間に渡るインタビューの成果です。
大勢の人があつまると、化学反応が起きてきます。
今回は、会場の熱心な先生方と、リアルに目の前にある患者さんの症状をなんとか解決したい、という熱気で一体化していきました。
私は、講演会には「うねり」があると思っています。
良心的で質が高い医療を行う先生方とお話しすると、
良い「うねり」が会場を渦巻くようになり、
魂がインスパイアされて極度に集中力が高まります。
私は、もともと読み原稿を全くつくらないので、
ポジティブな集中力が高まっていくことはとても大切で、
そうなると純粋にお話をすることを楽しむ事ができます。
いつもどおり質疑応答の時間を多くとって
先生方とのクリエイティブなディスカッションを楽しんだあと、
出雲大社に行きました。
前田先生ありがとうございました。
出雲飛行場からの帰京なので、出雲大社に途中で立ち寄りました。たまたま乗り合わせたクシードライバーさんは、クラッシックギターと歌を愛する方で、道中を案内していただきました。彼は、3日おきに奥様と温泉に行き、ギターを弾いて人生を謳歌している方でした。スマートなドライバーさんに会うことは珍しく、神話の国の力だと思いました。つくづく出雲は不思議なパワーを持つ場所だと思いました。
出雲大社は森の匂いが立ち込める山の中腹にあります。
宝物殿の学術研究員の方に詳しく説明していただきました。
遷宮の前なので、今は神様は仮殿の中にいらっしゃるとのことでした。
奥に見えるのが本殿です。
屋根は檜皮葺き(ひわだぶき)で薄い檜が幾重にも重なっています。
改修中の本殿の天井には、極彩色の雲が7つ描かれているそうです。
「八雲」と呼ばれるものですが、ひとつ足りない。
割り切れない数字であるとか、完成してしまうと崩れていくしかないから、というのも一つの理由とのことです。
お世話になったGSKのスタッフの方です。
毎朝10km走っているアスリートでもあり、
真面目な人柄に好感がもてます。
純白の玉砂利は、
白いプラスティックに上手に固定されていて真っ白な美しい境内が拝殿につながります。
牛と馬の小屋もありました。
馬は「かねおまさん」と呼ばれて撫ぜると子宝にめぐまれるそうです。
牛の方は目が可愛くて、よくみると瞳に金色のハイライトが入っています。今にもゆっくりと首を振りそうな感じがします。歩き出したら、後ろに乗ってゆっくりと旅を共にしたい感じです。
出雲大社は、日本の神様が集まるところなので、縁結びで有名です。今回、ペインクリニックの先生方とも良縁が生まれました。講演後、コミュニケーションの
重要性を女性医師の方々と話しました。女性の脳はソシアルに最適化されているので、その感覚は社会的な羅針盤となり、自分に欠けているところを補うため
にもとても大切です。
境内の中も外にも水が流れていて、
自然と一体化していて不思議な力をもらえる場所でした。
講演会とはまた別な、リラックスした中でも集中力が増す不思議な感覚でした。
帰途、東京の道路の防音壁に絡みつくツタ系の植物の葉が
風になびくのをボンヤリ見ていました。
通常はただの風景なのですが、
その時は、ツタの葉の緑が鮮やかに感じられ、
規則的になびくリズムに生き物の声のようなものを感じました。
出雲大社には、生命力を与えてくれる力があるのかもしれません。
一つ一つ全力で、丁寧に生きていく必要性を感じました。
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