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2012年11月17日 (土)

頭痛学会総会と山岸伸さんのトークショーの日 / トリトリ体操

ダイエットを脳とアディポサイトカインから未来のメタボリックシンドロームの治療の方向性に斬り込んでいいった、最近出させていただいた「糖尿病になる人 痛風になる人」は無事よく売れているらしいです。患者さんにも、自分にも有効であった運動の仕方や、頭痛に有効なトリトリ体操のこともおかきしています。

今日は頭痛学会総会の発表の日でした。
子供たちに朝に頭痛トリトリ体操をしてもらうこと、つまり、
サーカディアンリズムを作り運動による脳環境の整備が、
頭痛や不眠を改善する ということを発表いたしました。

トリトリ体操は「およげたいやきくん」や「いっぽんでもニンジン」の作曲家の佐瀬寿一さんに曲を作ってもらっています。子供たちに運動してもらうことが、医療機関に関わることを減らせるかもしれないからです。

小さな部屋のポスターセッションながら、
発表後もたくさんの先生から質問を頂き、ありがたい時間を過ごしました。

こんなに子供たちが起立性調節障害の名のものとに薬漬けになっている世の中がおかしいと思われている先生がいらっしゃるなんて、心強い限りです。タクシーの時間が迫っていて、皆さんのお話しを短くしてしまって申し訳ありませんでした。

子供たちを守るのは環境を整える重要性と、専門家ほどは分からないけれども発達障害や精神障害も考慮にいれる、すそ野を超えた小児科の先生方の判断力だけだと信じています。

起立性調節障害と名付けられて、チルトテスト陰性なのに、メトリジンのような「血圧上昇薬」「睡眠薬」「抗うつ薬」+「漢方」を処方されていて“症状が改善しない場合”は、怪しい限りです。私は、この薬たちを「起立性調節障害の三種(四種)の神器」と呼んでいます。私は、これらの薬で良くなっていれば問題無いと思っ ています。治っていれば良いです。
でも、チルトテスト陰性なのに昇圧剤はなぜ?
治らないのに永遠に検査を続けたり薬が増え続けるのはなぜ?

医師は疾患を治すのが目的で、病名をつけるのが目的ではないからです。
ゴールが見えない治療は結構つらい。

さらに、「起立性調節障害」は小児の間にしか存在せず、精神科の先生も?を投げかけています。成長期特有の問題という先生もいらっしゃいますが、成長するに従い、生理学的に何が変化して、大人になると「起立性調節障害」が無くなっていくのかきちんと説明してくださった先生は一人もお会いしたことがありません。グロースホルモン?、性ホルモン?体の変化が止まるから?

でも、17歳でも起立性調節障害と言う方にも会ったことがあります。私から言わせると片頭痛の頻発と、片頭痛性めまい症と不眠だけでしたが。彼女はあっという間に治って、もう一回やり直して、理系女子になって大学に進み研究を続けています。

うつや精神病、ADHDやアスペルガーなどの発達障害、てんかんやガン、代謝病は子供だけでなく大人にも普遍的に存在します。どう違うのでしょう。さらに「起立性調節障害」は小児科の先生がふるって使いますが、まず、内科医は付けたことが無い病名です。
では、精神科の先生は?、内分泌の先生は?。なんで、他の科にはその病名がない。では、婦人科の先生は?ペインの麻酔科の先生は?整形外科の先生は?アチラコチラ痛かったり、起きられなかったり、元気が無いのに。科によっては無い病名。面白い病名です。

例えば成長痛は、骨端が閉鎖すると発達痛はなくなります。「起立性調節障害」も何かが変わると大人になって無くなってしまう病気なのでしょうか。二次性徴までの病気なのでしょうか。

かつて、片頭痛が慢性化した耳鳴りや頭重感が連日になってしまった更年期の女性に「ストレートネック」あるいは「更年期障害」とか「不定愁訴」と 言って、ロキソニンのような「痛み止め」「抗不安薬」「筋弛緩薬」+「漢方」を処方して、永遠に治らなかった時代と同じものを見ているだけです。「中枢感作」として知られていた病態を、 清水先生が一般の方向けに「脳過敏」とご紹介されました。「更年期障害」で慢性頭痛を片付けるのはもう昔の話しになりました。

「起立性調節障害」も同様に良くなれば問題ありませんが、永遠に治らないようなら、「何かが」が間違っているわけです。

「うん、うん、そうそう。」というかつて「更年期障害」だった患者さんの笑顔が浮かびます。更年期障害は「高FSHと性ホルモン低下による身体的、精神的障害」という輪郭を作らなければ、バスケット診断名になってしまうわけです。ならば、高FSH血症は何をひきおこすのかということになり、それは、既に内科医のアメリカ内科学会ですら結論を出してしまっています。そういった症状以外は更年期という時期に居たとしても、「更年期障害」ではありません。ましてや、交感神経や副交感神経とはなんら関係もないので「自律神経失調」でもありません。

「起立性調節障害」をきちんと解体して、幾つかの「輪郭を持った疾患に鑑別すること」をお勧めしたいものです。除外診断が必須だと思っています。診断の精密さが必要です。

閉塞性黄疸と行っても、胆管癌と膵頭部癌では大きく治療方法が変わります。
センスの良い医師ならこのニュアンスがわかってくださることでしょう。
ターゲットが曖昧であるほど、「私達医師の治療の矢の精度が落ちる」ことを。

旭川から沖縄まで各地でお話させて頂いた講演会で登場した患者さん方の嘆きをご覧になった先生方も多数いらっしゃるでしょう。彼らは、言わばバスケット診断名では疾患を治すことができないことを証明してくださいました。

今日は素敵な藤田光江先生と脳波の話をさせていただきました。
その後、仲良しの平田教授と「CSDは特殊なものじゃないし、考えすぎだよね。脳ってホワイトノイズあるし。」というお話しをさせていただきました。

そのとおりです。科を超えて正しく患者さんを見ている臨床の先生は正しい。
グローバルにイノベーションしている起業家と同じ風を感じます。彼らにも国境はありません。経済学が社会学や、脳の生理学と融合していくのもうなづけます。来週ネイティブの先生とは、メイカーズという本について議論することにしています。

今日は、お世話になっている目々澤医院の目々澤先生に司会していただきました。
暖かくてとても良い先生でした。本当にありがとうございました。
それを救うべき先生たちが立ち上がりつつ有るのを感じるのは、本当に嬉しい限りです。

未来は、沖中重雄先生の系譜を引く塚越廣先生、宮武正先生、水澤先生と脈々と続く「患者さんの中にしか真実はない」というお言葉にだけ宿ると信じています。とっても厳しかったけれど、そうやって教わってきました。

三叉神経の生理学や、背中をポンとたたかれて「がんばれよ」とお声をかけてくださった間中先生のリスクマネジメントの話や、スゴイ面白かった山岸伸さんのトークショーの話や、東京駅オフィシャルフォトグラファー佐々木さんのお話しは次回にいたします。

池袋大谷クリニックの大谷先生と医科歯科大学の入院ベッドコントロールを一緒にしなかったら実現しなかったと思い出して、感慨深いものでした。
ポスターセッション御覧頂いたお集まり頂いた、たくさんの先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。

最近、発表があるとたくさんの先生がいらしてくださって、色々なお話をしてくださいるようになって、本当に嬉しいです。既に、「糖尿病になる人痛風になる人」を読んでくださった先生もいらっしゃって、メタボのレシピの話も少し致しました。雨の吹き込む外にも関わらず、本当にありがとうございました。励みになります。今後ともよろしくお願い申しあげます。

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