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2013年7月 9日 (火)

東京医科歯科大学神経内科は多様性を愛する「高機能な高分子化合物」

哲学的な思索は、人間にとってとても重要なことです。
抽象化する力や、直観力を磨く訓練になりますし、
その時点での自分のモヤッとした感覚を明確な言葉でピン止めすることができます。

教授をはじめとした首脳陣の先生方からお話をうかがう一方、
若い先生方ともたくさん話しをして、
東京医科歯科の神経内科の多様性を愛する姿勢を一言でいうと何になるのか、
考え続けていました。

私の答えは、「高分子化合物」です。

力を統合する場や光を束ねるような概念も考えましたが、
リアルな物質的パワーを有しているのであまり適切ではない。
あえて分類するなら、
時間とか場といった抽象的ではないものがふさわしいと感じました。
だから化合物。

多くの先生方が強い共有結合から弱いファンデルワールス力ぐらいの力までの
いろいろな力で結合して形作っている。ピッタリなのは、高分子化合物。

この医局は、誰かのために誰かが働くシステムではなく、多様性から生まれる総合力をジェネレーターにしています。水澤教授の方針です。

それはまるで、生物の中でしか作られないような複雑な形をした高機能な高分子化合物。

高分子化合物は一朝一夕には形成されません。
酵素反応の継続により形成され、一度形成されれば安定的な機能を有し続けます。
切れ味のよい高分子化合物の薬剤のように、社会にとても役に立つ存在。

多様性を好むこの高分子化合物は、結合する分子の種類によって進化する。
化合物の側鎖も、常に変化する。

ミクロで見ると、どの先生も刻むリズムは個性的。
一見バラバラに見えるけれども、そのリズムはマクロでみると高分子として共振している。
そして、その共振力は、高分子化合物ならではの推進力を生み始める。

高分子ならではの前進する共振波は、推進することにより
それぞれの分子の固有のリズムにポジティブな「ゆらぎ」を与える。
変化した新しいそれぞれの分子の固有なリズムが今度は、全体の共振波に新たな推進力を与え、ポジティブフィードバックを繰り返し潮流になっていく。

ミクロの波が作るマクロの波。
マクロで見た高分子が前進するときにのみ生まれる特有の「ゆらぎ」。
ゆらぎをもらって変化する、ミクロとマクロの波のポジティブな変化。
さらに加速する推進力。そういった感じです。

構造を考え、その構造体が推進力を有する動的でダイナミックなものであることに感動を覚えます。

中のものが入れ替わっても、ある生命体が存在し続ける生き物の営みは動的平衡と呼ばれます。メンバーが入れ替わっても、医局は変わらない。それが動的平衡。

でも、この医局は違う。個々がいつまでも存在し続けていて、人々に貢献し続ける。善なる共通目的が集合体を束ねる力になっている。
たとえるのなら粘菌が試行錯誤のゆらぎを持ちながら、前に進んで大きな栄養素を取り込む感覚に近い。推進力をもつ協働体。決して医局員を代謝産物にすることはない。いつまでも大切なメンバー。

こういった思索を与えてくださった神経内科医局には、感謝して余りあります。
人生を生きていく上で、有意義で重要なことです。

早朝、暑くなる前に走りました。
いつも立ち寄る大きな木が立ち並ぶ涼しい神社の境内で深呼吸をしました。

地に咲く苔の花。
以前、薬の本を書いたとき読んだ、地面に住む放線菌についての論文。

生き物が作り出す、自然界の未知の高分子化合物の存在が聞こえるようです。
大昔から続く有用な存在。

そして、その時に、ああ医局も高分子化合物なんだ!と気づきました。
社会の中にある「高機能な高分子化合物」。

来年、参加される若い先生たちの多様性が、
また化合物の形を変え、医局の波動を変えていくことでしょう。
新しいゆらぎが生み出す、新しい推進力。

その推進力がまた私を変える。
多様性が生み出すポジティブな変化が作り出す推進力。
その推進力が未来。

若者には生命力から発せられる人を癒す特有のエネルギーがあります。
ありがとう、一生懸命語りかけてくださった、若い先生方。
またお会いしましょう。

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