Woman最終回 / 無い影 / 寂しさがまじる理由
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先日「Woman」の最終回でした。
主人公のお母さん(満島さん)が元気になって帰ってきたはずのハッピーエンドなのに、なぜか物悲しい。
影は人影とも使い、その人の存在を意味する言葉です。
主人公の子供の絵日記は、お母さんの入院後、おばあちゃん達との思い出だけになってきます。秋に入院で4月退院の半年入院は少し長すぎかも・・・と思って見ていました。
柔らかな春の風が吹く日。
表に干してある白いシーツの向こう側を歩いてお母さんが音もなく帰ってきます。
シーツに影が映りません。声もしない。
家には誰もいなくて、いなりずしのみ。おばあちゃんたちは、出かけてしまったようです。子どもたちへお昼を置いていっているので、しばらく戻らない事情がある。
亡くなった旦那さんは繰り返し
「人生の最後のページは、自分で読むことはできない。死んだ後、子どもたちが自分たちの物語を読んでいく。」といったメッセージを投げかけます。
ガランとした家の寂しい様子は、おばあちゃんたちが主人公の急変の連絡を受けて病院へ行き、亡くなってしまってお別れを告げにきた主人公の幻影を子どもたちが見たのだとも考えられます。
お母さんとの赤ワインは最後の晩餐のようで、いなりずしはお供えも感じさせる。
本当は、おばあちゃんたちは単純に買い物に行っていて、その間に主人公が帰ってきた、というハッピーエンドを望みたいところです。
でも、影もなく無音と無人からくる虚無感の作る一抹の寂しさ。
日記からもお母さんの記載が無くなる。
最後の映像は、「子どもたちがめくって読んだお母さんの最後のページ」にも見えました。
無音の日差しの中のお母さんと子どもたちは幻のようで、子どもたちの夢の様にも見えます。もし亡くなられても、天国で旦那さんと子どもたちを見守っていることでしょう。
「死によって人の存在は無に帰すのではなく、生者の記憶の中で価値を持って生き続ける。死者が生きていた時の生き様が、その記憶を形作る。」という希望も教えてくれます。
外来においてある絵本では、子どもたちの生きようとする力がお化けを退治しました。
キラキラした多面性をもたせた結末。
やってくる試練をかいくぐり必死に自分の人生を生きぬきながら、さらに、子どもたちの未来を守り続けていく、様々な立場や世代の女性像。
胸を打つドラマでした。
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