MAC PRO / デザインの進化と深化 / 美しい生き物の形
明け方から週末のプレゼンファイルのブラッシュアップ。朝の1時間は夜の2時間に相当します。カジキマグロのフライをタルタルソース北欧風サンドにして食べながら作業終えました。
MAC PROが新しくなりました。
円筒状の不思議な形の謎が公開されました。
私が一番面白いと思ったのは、コンピュータのような機械が進化すると生き物に似てくるということでした。
これまでトランジスタやチップ、コンデンサなどは機能すればよかったので、ダイの形をしていたり、針金の足が出た無骨な形をしていました。ところが、集積化が高度になるにつれ部品の形態は航空力学を考慮しなくてはならなくなりました。
MAC PROの内部構造はそれに近づき、ファンは昆虫の羽のようです。
たとえば、私たちの骨。体を支えられていますが、その形状は極めて複雑な曲線で形成されています。そして、力学的に最適値。
これからグラフィックチップも配置される場所によって形態が異なるというようなことが起きてくるかもしれない。IGZOは同じ流れ。
さらに突き詰めると、全チップが最初から射出されるかもしれない。3Dプリンタを使ってボディも含めて下から一体形成されていく世界が登場するかもしれません。
日本のメーカーにこの形を作る風土は皆無。残念なことです。
日本のコンピュータや携帯メーカーは相変わらずやる気なく組立作業を続けています。
画面の大きさ、解像度、カメラの性能、厚さ、重さ、防水機能なんて枝葉末節。コンピュータが200g軽くなっても何の意味もありません。カバン変えたり、資料持つだけで、重さなんて相殺されてしまう。
いつまでも同じことをしているのでしょう。衰退は加速する。
iPhoneはワンセグも見れないし、防水でもおサイフケータイでもありませんが1位。海外の安価なアンドロイド端末も一緒の傾向です。
意味のないオーバースペックのために疲弊していく症状は、その製品や会社が末期症状であることを示している。故障と歩留りが増える割に売れない。もう議論しつくされた過去の話題です。
MOが128Mから640Mになって速度が上がったところで意味はありませんでした。ディスク類は全部フラッシュメモリーに駆逐されました。パソコンがスマートフォンに駆逐されつつあるのと一緒です。64BITでグラフィックチップを搭載するiPhone5sは立派な高速コンピューター。
かつてあるキャリアの社長さんは、スマートフォンは女性が使わないマニアのものなので絶対にスマートフォンを出さないといっていました。わずか数年前の話です。時代錯誤。電車の中でスマートフォンを捜査している女性、今ではたくさんいます。
会社の中で、鼻の利く人々がいてよかったと思います。生き残りました。
時代を読む嗅覚やコンセプトの革新性が無いと滅びます。トライアンドエラーを繰り返して、一見キワモノであっても未来を創るような面白さが無いと、次世代には行けない。破壊的創造は起きない。
アップルはNewtonやPiPPin、TV一体型ブラウン管PCといった失敗を何回もして、でも、失敗を飽きずに続けました。これからも彼らは計算しながらキワモノを出してくるでしょう。最近ではMAPなんかも失敗しました。でも止めていない。
やってみなくてはわからないからです。失敗から学び、未来へ行く。うらやましい。
iPhoneもiPadも当初、逆風が強かった。Newtonの失敗の再来とも言われた。
でも彼らは続けた。ブラックベリーもいなくなりました。
アップルの革新性は個人を超えて会社の性質として形成されつつある。
彼らは革新的で美しいものを作り続ける。
「失敗をしないようにトライをしない」という生き方は、「失敗をしても試行錯誤を続けて大きな成功を得る」に必ず負ける。試行錯誤自体に意味があるから。
日本のメーカーが筒状のコンピューターを出してきたりしたら、それこそ物笑いです。サイクロン掃除機のように。どんなものにも得意不得意はあるものです。でも真似だけは止めてほしい。進歩がない。
日本の製造業が、車や新幹線だけでなく、コンピューティングや頭脳の分野でも、世界をデザインする先頭にいてほしいと願っています。下請けの組み立て屋ではなく。
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