俳句 / 心の静寂 / 空蝉の銀河
日常の診療に加え、いくつかの本の校正とコラムの仕事が集まっています。
忙しいときには、俳句を詠むと心が落ち着きます。
晩夏の句を詠む季節になりました。
空蝉の透明な目に映る空 優仁
空蝉(うつせみ)は蟬の抜け殻。蟬の脱け殻は眼の部分が美しく透明です。
飛び立った蝉は、夏が終わり寿命が尽きていなくなってしまった。
けれども、蝉が夢見た空と、蝉の思い出は残り続けます。
有限な生命の人間も、人々が夢見た空、そして彼らの思い出を残していきます。
宇宙(そら)あおぎ流星渡る魚見る 優仁
澄み渡る夕方から夜にかけて、銀河が見え始める時間があります。そういったときに流れ星を見たことがあります。流星の上を、銀河から跳ねた銀色の魚が大きく飛翔すると美しいだろうと、想像を巡らしたことがありました。銀河で跳躍する魚。銀色の鱗の縁がわずかに虹色に光ります。
7つの大きな仕事のうち、4つは終えることができました。あと3つ。一つずつ。