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2016年5月16日 (月)

Bloom20号 / 脳治療の未来 / 脳神経を目指す若い先生方へ

Bloom20_1

東京医科歯科大学の定期通信誌『BLOOM!』が届きました。

私が所属する神経内科は、脳神経の新しい治療を目指してずっと研究を続けてきました。

私が大学院のころは、プログラム細胞死というものがトピックでした。細胞には、周りに迷惑をかけず順番に自分を処理して消えていく、あるいは処理されやすい形になることがプログラムされています。その引き金を引くことを抑制できれば、脳のダメージ進行が抑えられるのではないか、と研究をすすめました。

Bloom20_2 時代は進み、核酸を使って細胞を積極的に守る技術が開発されつつあります。

なんとDNA-RNA結合体のヘテロ核酸を内服することで、治療につながるという、未来型の治療の糸口が見つかりました。教授の横田隆徳先生のこの記事はわかりやすい。
Bloom20_3
生体内にはもともとヘテロ核酸は存在しない。
けれども、細胞外に与えるとヘテロ核酸を輸送するチャンネルを通して、細胞内に取り込まれる。

RNAは分解され、フリーになったDNAはターゲットとなる病原性RNAに結合して破壊する。

素晴らしい発見です。しかもsiRNAと違い、日本オリジナル。

横田先生はこの現象を示して、「生体には未知なる分子生物学的機構が存在している」と説明されていました。私は、久しぶりにワクワクしました。

細胞は、ミトコンドリアになるべき小さな細胞/細菌がとりこまれ、現在の細胞の形になったとも言われています。細胞内共生説と呼ばれます。

あるいは、遺伝子が色々な生物内を移動している可能性も指摘されるようになりました。遺伝子の水平伝搬と呼ばれる現象です。

生活習慣などで、遺伝子が変化することも知られるようになりました。エピジェネティクスと呼ばれる変化です。

我々の生命を日々支えてくれる遺伝子。
それらを、内服薬で良き方向へ修飾できる日がやってきたとも言えます。

脳神経内科をめざす若き先生方、一緒に神経疾患に立ち向かうなら、東京医科歯科大学の神経内科入局をお勧めいたします。若手医師の入局数がまだ不足しております。医局では、皆様のご都合の良い時に随時、回診や実験施設を見学できるように準備しております。医局長の西田先生までご連絡お願い申し上げます。7月に入局説明会が準備されていますが、待つ必要はありません。

さらに、東京医科歯科大学全体が、認定医、専門医をできるだけ早く取得できるよう対応を常に考え、関連病院と連携を密にしております。

私自身は、未来の治療方法を携え、若き先生方と一緒に戦える体力を維持することが大切になってきました。全く違う、脳治療の水平線が見えてきているのに、力尽きるわけにもいきません。

未来は、ものすごく速い速度で変化しています。それに対応し続ける持続的な体力が重要。一歩ずつ。

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