クリニックには、iTicketというシステムを導入しています。昔からのなじみの板倉さんとシステムの宇田川さん。発券システムのプリンターまで持ってきてデモを見せていただきました。
カゼや頭痛などの体の変調は、突発的に具合が悪くなるものです。患者さんのことを考えて、少し大変ですが予約制でない方法を模索してきました。だからといって、何もしないと混乱を生んでしまします。
悩みぬいて「渋滞学」なども勉強して、出会ったのがiTicket。
iTicketは、順番取りシステムで予約制ではありません。iTicket自体が患者さんの情報を有することもありません。主な軸足は二つ。
1.現在のクリニックの待ち人数(混み具合)が携帯などで分かる
2.自分が行きたくなったら、順番取りがあらかじめできる
この2つだけのシンプルな構造。
私は、患者さんの情報を持たないことと、機能をそぎ落としてシンプルに特化しているところに惹かれました。
急ぎでない患者さんは、込み合っている日は避けてきてくださるようになっています。待合室のオフピークをリアルタイムで支えてくださっているわけです。
彼らがM3傘下に入る前からのお付き合いで、システム開発のためにクリニックのパソコンを解放したこともありました。そのころからの変遷をいろいろお聞きしました。
WindowsのOS自体に、通常使用では目立たない致命的なバグがいくつも潜んでいるらしいとのこと。再起動してしまうと、iTicketのように連続性が重要なソフトにはダメージが大きい。トロンが生きていればよかったのに。
そこで、彼らのとった戦略は2つ。ひとつは、クラウド化。その時点での情報をクラウド化してしまえば、端末のWindowsマシンがクラッシュしても、バックアップがつく。ちょっと遅れてしまうけれども、読みにいけばそこに情報がある。
2つ目は、OSの変更。彼らは、ほとんど落ちたりすることのないiOSを使ったシステムを構築されました。iOSのハードウエアを使った構成は、とてもシンプル。iPadとbluetoothでつながった小型プリンターのみ。
OSのKP病クラッシュ対策のため、グラフィックボードを積んだ大きなWindowsデスクトップマシンはもう必要ありません。美しく洗練されたシステムでした。
私のクリニックは、お引っ越しもあるし、引っ越し先でのロードマップを相談しました。たくさんの人と連携を組みながら、前にすすむというのは、とても楽しい作業です。インフルエンザワクチンの出張接種に行かせていただいた企業さんは、介護医療機関などのシステムを作る会社でした。
インフルワクチンに入っている型について一人ずつご説明しながら、いろいろ世間話をさせていただいて、医療の変化や未来を考えていました。
昨日のデモでは、ほとんどがブラウザで行えるようになっていました。HTMLで全部おこなえるとしたら、それはOSフリー、専用ソフトもフリーの時代。端末のOS間の差異が無くなり、情報もクラウドにある。僕らの周りは、そういった世界。その環境下で、フロントラインの医療を行っていることを自覚しました。遠隔医療も本格化することでしょう。患者さんの情報をクラウドにあげておけば、世界中の専門医がブラウザだけで解析して治療にあたれる。
往診からもどると、フジテレビの方からお電話。免疫の話をしました。来週もインフルエンザや感染症の取材や冬の食事と健康についてのインタビューなど複数メディアの予定が入っています。
難しい内容でも、正しくわかりやすく、親しみやすく。
一歩ずつだと思っています。