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2016年12月19日 (月)

アントラーズの素晴らしさ / 戦うということの本質 / チームになること

昨日の試合は本当に素晴らしかった。

相手がどんなに有名で強い選手でも、互角に戦った。以前、敵国の大柄な選手が出てきて、一瞬で日本代表がしょんぼりして負けてしまったこともあった。

昨日の彼らは、相手が誰であれ、逃げたり、怖気づいたりしなかった。試合中、一瞬たりともがっかりすることはなかった。

延長戦後半になり2点リードしてもなお、レアルは鹿島のゴールを攻め続けた。あの時点で2点差なら、レアルは高笑いして、ボール回しをして時間稼ぎをしてもよかったかもしれない。鹿島が攻めてきて点を入れられてしまうかもしれないリスクを負っても、彼らは鹿島と戦い続けることを選んだ。実際、鹿島とレアルは延長後半もボールを交互に支配した。

サッカーに詳しくない僕には、選手の気持ちは微塵も知る能力はないけれども、それは、レアルが鹿島をきちんとしたカウンターパートとして見ていたからかもしれないと思う。戦い続けたかったのかもしれないと。もし、そうだったら、それは誇らしいことだ。

疲労困憊の極致だったはずの鹿島の選手は、最後まで攻め続けた。もう動けないスキを、それだけに特化した超速のロナウドにシュートを許した。けれども、僕には、決して負けたようには見えなかった。「ああ、残念。でも、これなら仕方がない」と爽やかにさえ思えた。

鹿島は、それぐらい立派に戦い続けた。集中力も注意力も切らすことなく、全員走り続けた。キーパーも神業だったけれども、選手もゴールを一緒に守った。PKもなく、落ち着いて決めたシュートのみで、日本は最後の最後まで同点だった。

これまでのどの日本代表よりも、ずっと強くて、しぶとくて、あきらめない戦い続ける集団。個々が連携して、助け合い、一個のチームとして統合された機能する集団。人間の集団がチームに昇華するためには、個々の感情に起因する様々な困難を乗り越えて、相手を思いやり連携することが必須であることを示していた。

彼らは普段、一緒に戦っているからこそ強かったのかもしれない。昨日の鹿島の選手は、いつもの仲間で戦うことを喜んでいるようにも見えた。日本代表は、昨日の鹿島を超えるチームになれるだろうか。

逃げも隠れもせず、正々堂々と戦うということを身をもって見せてくれた鹿島の選手たちに、心から感謝したいと思う。サッカーのことをもっと詳しく知る人ならば、もっともっと深いところで、彼らの戦いに感動したことだろう。普段は、鹿島のライバルの人々だったとしても。みんな。

昨日の戦いは、僕に沢山のものを残してくれた。都心の片隅で、残してもらったものをずっと憶えていよう。日本に、鹿島アントラーズというチームがあることを、ずっと誇りに思っていよう。

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