イモリ型再生 / 新しい可能性
『イモリ型再生』という研究が、日本で進んでいることをしりました。
NHKかとおもいきや、WACさんという志高い会社さんの作品でした。
筑波大学の千葉教授のお話は素晴らしかった。
アカハライモリを育てるためのイモリの里を守っています。皆で田植えして、子供たちと稲刈りをしています。
イモリは手や目を失っても、再生させる事ができます。水晶体に至っては、18回も!
先生は、巧妙な実験系を組み立てました。イモリの卵に遺伝子を挿入し(たぶんGFP)、蛍光に光るイモリを作りました。
リンク先に千葉教授の詳細なデータが掲載されています。常時蛍光を発現する系を作成するだけでも素晴らしい成果です。
このイモリの細胞を、通常のイモリに移植して手を切断。
再生させると、なんと、蛍光色の細胞が手の中に発現していました。AXIALとSagitalセクションのデータも画像化されて番組で紹介されていました。一部分というよりも、融合して『一緒に再生している』画像でした。
つまり、いったん身体の細胞に分化したものが、『リプログラミング(再プログラム)』して幹細胞化、そして、細分化していったことを証明しました。
iPS細胞は、全ての臓器を作れます。けれども、逆に言うと「一から作り直さなくてはならない」。手のような骨や筋肉、皮膚、血管、体幹につながった神経を作り出すことは困難です。
けれども『イモリ型再生』なら、痛んだ組織の周辺の細胞をリプログラミングするだけで、切断元の細胞が増殖分化して末梢に向かって目的の組織が形成される。魔法のようです。縫い目の無い、エンジアードメッシュや3Dプリンタのようです。
大学院生さんが、ガンのプロモーションをしてもイモリはガンにならないことを説明していました。組織を修復するリプログラミング細胞は暴走すること無いため、イモリはガンにならないとのこと。スゴイ!
iPS細胞には常に、先祖返りやガン化の危険性をはらんでいます。
ここ2週間、息つく暇も無く診療と沢山の方々にお会いして、忙殺されていました。朝から、夢のある話を伺えて良かったです。
ありがとうございます。千葉教授とWACの皆さん。
心の中でお礼をいいました。良質なTVプログラムに時々出会います。
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