シンプルにする / 若者の未来を守る / 引き継ぐ
朝一番で、長いお手紙を書きました。
診療をたくましくしてくださっています。頭痛外来も普通にこなしています。長谷川先生は、ちょっとお休み中。
常連さんもほぼ全て彼女たちに診ていただくようになりました。今では、優しくてムラのない丁寧な診療をなさる山田先生の日を選んできてくださる患者様もとても増えました。今日も、彼女のご尽力で患者様が救われました。
個人で始めたクリニックの診療は、個人に依存してしまうとチェック機能が働かなくなったり、「裸の王様化」してしまいます。クリニックの独自ルールができたり、スタッフも「おつぼね」化してしまう。新しいスタッフの交代が順調に行われず、汎用性が失われる。
医師も同様です。大学病院でも診療している複数の若い先生が交代でいらっしゃると、カルテを共通化しているので診療内容も彼らにバレバレです。新しい医療機関で訓練を受けてきた彼らから記載のチェックも入り、切磋琢磨してより良い標準治療を行うことができます。東京医科歯科大学 神経内科医局のご尽力のおかげでもあります。
個人への依存性を減らすことは、クリニックが社会のインフラ化することにも繋がります。14年ほど前の開業時にも同じことを考えていました。個人の名前をクリニック名に入れなかったのは、そのためです。誰がやってもいい。
古い場所にクリニックがあって長谷川先生がいらしたときから2年以上かけて、システムの改革を進めてきました。だいぶ完成にちかづいています。看護師さんも、クリニックのサイトで応募してくださったり、看護協会さんからの紹介で無事交代もして継続しています。それを受けて、クリニックのサイトも改変しました。
ご高齢の方々の地元へのご紹介もほぼ終了しました。長年通院されていたにもかかわらず、お別れをしてしまうのはつらいけれども、患者さんの事を考えると、秋葉原に通院されるのが良いとは思えませんでした。
ポーカーフェースを装っていましたが、皆様とのお別れは、私にも断腸の思いでした。診療終了後に、カルテの記載を読み返して静かに涙を流した日もありました。
また、私が拝見していた芸能人やキャスターなど著明な方は、ほとんど他院に紹介完了いたしました。また、新規のご紹介も辞退し続けてきてきました。申し訳ございませんでした。陳謝申し上げます。
さまざまな私に依存するものを、減らす必要がありました。汎用化できない私個人に依存するものごとは、勝手がわからないため次の世代には重荷になったり、新しい事を始めるための足かせになってしまいます。
近隣のクリニックが破綻して、当院に患者さんが沢山いらしたときにも、患者さんのご希望を伺って、ご紹介を続けました。何通も連日紹介状をお書きしました。私共へ通院先を変えた患者様は、ほんのわずかです。
謙虚に診療を行うクリニック。患者さんに役に立つインフラ。そこに集中してスタッフともども、みんなでシステムを支えています。そして、若い先生のストレスを減らし、お仕事が順調にいくように準備を続けていくのが今の僕の仕事です。
平成30年度の入局説明会が、5月に開催されます。医局説明会でM3やM4、研修医の方々(J1-2)の皆さんにお会いできることを楽しみにしています。教授や医局の先生のためにずっとご尽力申し上げてきました。
若者の中にしか、未来はありません。彼らが自分の意思で、彼らが好きな形の未来をつくっていきます。それは、彼ら自身の世界。
たとえ開業しても医局の一員でありつづけることができる医科歯科の医局の生き方。世の中のインフラとして社会の構成システムの一つとなり、スタッフのひとびとと協力していくことなどを、尋ねられたらお答えしようと思っています。
失敗もよい経験。自分でやらなくては学べません。おせっかいにならないよう、ウザくならないよう、尋ねられたことだけに、応えていこうと思っています。大人は、よく知りもしないのに口をはさんで、ウザくなりがち。
繰り返しになりますが、若者の中にしか未来はありません。若者は、輝きと力強さを増していく生き物です。
彼らのために、僕らが単調でつらい作業を引き受けます。そして守りつづける
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