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2018年4月18日 (水)

高校入学おめでとう / 凜として美しい / クリニックを女性の手に

同級生に悩んでいた女性が、心を強く持ち、障害をかわしつづけて高校に無事入学されました。希望に顔を輝かして来院されました。おめでとう!

希望通り理系にすすむといいかも。海洋生物学から抗がん剤開発をする、科学者になることを勧めてみました。白衣が似合いそうだったから。

彼女は、凜として美しい人。素晴らしい大人になることでしょう。

僕は、女性は素晴らしいと思う。

始めから、どうなるか予想して世界を眺めている。

こどものころから。

女性は、男子も女子も自分から生まれることを当然だとおもっている。家庭を支配しているのも、自分たちの仲間たちなのを知っている。

たとえ子供を持たない人生となっても、世の中のしくみを正確に理解し支配権を持つことには変わらない。

自分のお母さんと〝うま〟が合わなくても、
自分で、僕らよりはるかに沢山の事を学んでいく。
自分に備わった、〝性能〟〝性質〟〝本能〟として

僕は尊敬している。
彼女たちが子供の頃からずっと学び続けてきたこと。
彼らは素晴らしく、寛容なこと。を。

ヴァイオレット・エバーガーデンが、好きなのはそのためかもしれない。リオンの会も、小さな子に手紙を書くお母さんの会も、涙無くしては見れなかった。

少佐は生きているのだろうか。

リオンと見た彗星。ヴァイオレット・エバーガーデンは、リオンや死んでいく兵士に愛を感じていると思う。それは庇護者として。彼女は、人々を護る人。

小さな女の子に「あなたは立派だ」と励ます。
リオンが必死になって組み立てた望遠鏡をながめ、彗星を「見ています」と伝える。優しい。

見返すと「いったい誰への手紙だったのだろう」という小さな子のセリフは、涙腺を破壊する。

星空。

中学校の天文学部部長の時に、僕を気に入ってくれた女子がいた。

星をみながら

〝星が見たいんじゃ無くて、この(形の)時間が見たかった〟

と呟いたのは、今でも良い思い出。寒い乾燥した冬の夜を正確に覚えている。彼女の目に、街の光が映っていたことも覚えている。彼女の手がかじかんでいて、操作が難しそうだったから黒い手袋を貸した。

なぜ、

〝星が見たいんじゃ無くて、君と一緒に星が見たかった〟

と、言わなかったのか。僕は、ずっと分からなかった。僕は、他の人みたいにグループでなく、彼女に誘われて女子と2人で星をみれたことに、うぬぼれていた。理科の先生は遠くの隅で僕らを見ていた。

ああ、頭が悪い。40年かかった。

女子は正しい。そして、正直だ。自分の気持ちに。大人になって、始めて、男女脳の違いを学んだ。僕には、どんだけ頭と洞察力がないのか。

女子は生物として、様々な事を感じ生き抜いてきていく。
男子と女子は生き物として共通の部分もあるけれど、全く違う部分がとても多い。

たいていの事柄は、彼女たちは黙っている。話しても僕らに意味をもたないから。

確かに、表面的にはお互いを理解し会えることも何とか可能かもしれない。
けれども、本質は、全く違う。通常、彼女たちは、あきらめている。

それも学んでいく。

彼女たちが男子を信用して、説明しようとすることはほとんど無い。それまでの人生で、男子への努力が無駄な事を学んできているから。

僕は〝女子〟ではないから、クリニックでどう説明したら良いか、本質的にはわからない。理解しようとしても、違う生き物だから難しい。

だから、本物の女性たちからお話を聞いて、その言葉で説明しようとしてきた。女性の理論を、理解しようと頑張って、内容を憶えて女子に説明してきた〝ズルイ大人〟にすぎない。

彼女たちは、変化が好きなためゲテモノが好きになることが稀にある。僕は、彼女たちの気まぐれの〝なぐさみ〟に救われてきた。

きっとゲテモノが、彼女たちの大好きなベージュ色の単調な〝おうち〟から連れだし、彩り豊かな異境の世界に連れて行ってくれるだろうと妄想しているのかもしれない。

だから男子は運動能力や髪の毛や行動を、極彩色に彩る。ゲテモノになろうと。

僕らは、女子のきまぐれに救われ続けている。理由は分からないけれど、彼女たちはゲテモノを護ろうとまでする。どんなときも、生命の庇護者だ。クリニックも、彼らのその、いとおしい作業に救われてきた。

手のひらの上の、山椒魚だって、自分が気に入れば守りそだてるだろう。繰り返しになるけれども、僕らは彼女たちのゲテモノ好きに救われてきた。

少佐がいなくなって「寂しい」と思っているけれども、同世代へのいとおしさも育っていく。色々な形の心。

今日、午後に受診した別の美しい女性たちからお話を聞いた。

彼女たちは、何も答えず皆優しくわらっていた。きっと、沢山の彼女たちが出会った男子を思い出していたんだろうと思う。目の前で尋ねている、頭のわるい瞳を大きくした僕を含めて。

これまでも女性看護師さんや女医さんに、もう少し詳しくいろんな質問をしてきた。女性の頭のなかのシステムや、ものごとの繋がりのシステムを尋ねるために。

事例に対するエピソード記憶の芋づるは、女子、全員共通。ゆらぎをもつ直観。

〝絶対かないっこない〟

それが、感想。
僕らは、皆、女子の手の上で生きてきたのだとおもう。彼女らは、当たり前の事実だから積極的にはかたらないけれども。

女性が沢山受診するクリニックや在宅診療は、女子が運営すべきだと徐々に思うようになった。栄養管理も、女性の管理栄養士さんの仕事だ。そして、人間が生命を帰属する〝家〟(生き物の巣)も

世界は、彼女たちのサンクチュアリ。女性が光合成室で〝光合成〟するフィールドに、男子は入れない。カビをつくるガウナだって、女性由来。サナカンは女性だけれど、男子も使いこなせない大きな重力子放射線射出装置を使うことができる。

どんなに学んだって、僕は男子脳。
「男子の前だと油断できるし、怖くないから、(頭の悪い男の)大和田でいい」 といってくれた患者さんもいらっしゃった。

きっと、自慢げに説明している僕を、「長いな」と冷静に見ているのだろう。「この説明、がまんしなくっちゃ、男子の話は黙っていた方が早く終わるから」と。

主治医が女性医師の方が、より長く命を紡げるという論文まで上梓されている。

女子の頭の回転速度について行く頭脳の速度は僕らは持ち得ないし、一瞥してすべてを悟る(直感ではなくカントが言うような)直観をもたらす複雑な平行して処理する頭脳回路も男性は持ち得ない。

だから、最初に始めるピエロ的な雑用だけが、僕ら男子にふさわしい仕事だ。
そう思う。

僕が去って、安定した次世代になったとき、女医さんが舟を進めていくのが安定したやりかただろう。

現時点では、彼女たちに足かせがおきないよう、偏西風が吹き続けるよう環境を整えていこうと考えている。

それが、患者さんのためになる。

女子は、マメルリハのように美しく強い。彼女の力強い足元(いわゆる鳥もも肉)の体温を感じるとき、「なんてたくましいんだ」と思う。

クリニックの大半を占める女性の患者さんも、生きのびることに集中して鋭い。医療機関の本丸を運営しているのが男子かどうか、敏感にかぎ分けることができるだろう。

だから嘘はつけない。男子が「女性のために」なんていっても、「ふふん(また冴えないフェイク)」と思うだけだろう。彼女たちは、美しく生き延びることが、得意で、その点に集中しているのだから形を整えただけの嘘なんて通じない。

だから、主導権をフラットで優しい女子に渡していく必要がある。本物にするために。

生き物や、生き続ける機関とは、そういったもの。引き継ぐ、ということを考え始め、すこしずつ実行してきた。

それは、命を紡ぐ女性のため。
全ては、そのために。若者も女性から皆誕生する。

未来は、そこにしかない。そのための準備をする。

冬の天文学部の彼女は、たぶん僕では無くてもよかった。

彼女は、脳内で妄想していた「冬空の美しい星空の下で男子と時間を共有する」ワクワク感を、きっと実現てみたかっただけだろう。僕は、気がつくのに何10年もかかった。リン・ベガのネットスフィアへの接続速度のようだ。

彼女はすでに母になって、祖母になっているかもしれない。愚鈍な僕は、女子に沢山の迷惑をかけて生きてきてしまったのではないかという、当然の帰結を考える。

でも、そうやって少し僕を気に入ってくれてきた爬虫類が好きな感じのゲテモノ好きな女子たちは、全員りりしく美しかった。凛として美しい人々だった。

たぶん、きっと僕を、ヒョウモントカゲモドキのように思ってエサをくれていたんじゃないかと思う。

「ああ、頭悪そう。なんでもパクパクしそう。この実って、毒じゃないといいな。おいしい?」とトカゲの頭をつつきながら、いたずらっぽく。

ありがとう。
僕は、おなかをこわさないで、彼女たちが与えてくれたものをパクパクたべて育ってきた。ごつごつした赤い実も、ベタベタした青い実も、綺麗な碧の実も。信じる、とはそういうことだと思う。僕らには、解毒器官が備わっている。解剖生理学を目指す若者なら、解るかもしれない。

僕は重たい尻尾を揺らして石の上をはいずりながら、きっと眺めていくことだろう。

彼女たちが、青空の下で素早く跳ねたりバク転して動物たちや敵とりりしく戦うところを。

計算高く冷静な能力を発揮して、戦術予想師として戦っているところを。

夏の草の碧が美しい戦場を、服をはためかせ、どこまでも疾走していくところを。

素晴らしい。

ありがとう。そして、おめでとう。

「愛する人は、見守っている」

静かに毎日、彼女たちは戦い続ける。

お屋敷では彼女は心がかき乱されていても、「静かさ」を装っていた。ヴァイオレットが最後に女性たちの中で独白して、涙を流すように。

その孤独をまぎらわす存在であれれば、ものぐさみ者になれれば、僕は〝合格〟だ。

「またどこか、星空の下で」

僕は、美しいものをみれるかもしれない。そして、彼女たちに僕は護られ続けていく。

「新しい器を授かりて、その魂護られるが故に」

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