クリニックの待ち時間 / 紹介と卒業
5時間~8時間待ちになったり、午前診療が終わるのが夜間だったり・・・
午前中、お手伝いの先生がいらしてくださってくれても、午前診療終了が夜間になったりしてしまっている。
最初は、処方日数を150日や200日などに伸ばすところから始めました。受診回数を減らしたいけれども、トリプタンの頓服回数だけは保険診療のルールに従って増やせない。トリプタンは、ほとんどジェネリックになったけれども、回数については一貫していて少数に回数制限されたまま。
トリプタンが無いと嘔吐してしまう月経関連片頭痛。半年で10錠の頻度の方に、20錠だせれば1年に1度の再来でよいのに・・・
月経関連片頭痛だと、月に4-5錠のトリプタンを使ってしまうことはよくあります。10錠しかだせないので、毎月から2か月以内の再診。そのつどの待ち時間。ああ・・・
でも、閉経すると片頭痛がへり、トリプタン必要なくなってくるので、クリニックからの卒業を促しています。いつまでも医療機関に通院するのでは、それで病人になってしまう。
処方日数を増やすだけでは、待ち時間緩和にならないため、昨年から他院へ患者様を紹介する作業を2016年夏から始めました。2年後の今も、積極的に継続しています。
土日にやっていたり地元や勤務先に近く至便な医療機関をお勧めし、紹介状をしたためています。慣れ親しんだ患者様とのお別れが、たくさんやってきます。1日で20人近くに及ぶこともあります。たぶん、当院に失望されて自分で移られた方も多くいるでしょう。
昨年から当院を離れた患者様の数を数えると膨大な数になります。
10年、20年選手、東京医科歯科や武蔵野赤十字、青山病院の外来からずっときて、ずっと待ってくださってくれた患者様もいました。
僕が開業していることを知って、遠方からきて出さっていた患者様もいらっしゃいました。
雑誌で探して、来て下さった患者様もいました。
ラジオを聞いて、懐かしんで必要なお薬のために来てくださった患者様もいました。
「先生の診療の待ち時間が長いのは何十年もお付き合いしてきたから覚悟しているけれど、さすがにこの年では無理かもしれない。地元の先生を紹介してください。」と60代の方に言われて、肩を落としたこともありました。
同じことを同じ日に繰り返し言われたこともありました。
受付の事務さんがご苦労されたことも。僕は彼女たちを守ることができていない。
午前に来て、診療が夜なんていわれたら、怒るのが当然。その矛先は僕であるはずなんだけれども、事務さんに向いてしまう。ああ・・・
僕には、ご希望の患者さんに他院を紹介を続けることしか、できない。
もう、懐かしい患者さんたちには会えない。
患者さんのためになることだけに純化するクリニックを作りたかったし、それに全力を尽くしてきたのに。会わないほうが、待ち時間や通院の手間が減って彼らのためになるなんて悲しい。
寂しいものです。
寂しさは人生を深くすると考えて、頑張っていこうと思っています。
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