沢山のいろいろな話をしました。
やさしい、良い先生です。
ヤケドをしていることもあり、「痛みと優しさ」について、語り合いました。
胸部外科や消化器外科をなさっていたので、救急で医師の心のありかのとってもいい話でした。沢山おいしゃさんの話をした。
かろうじて指だけ動く、〝豚足〟を笑ってくださいました。豚に包帯。
医師には、共感はありません。必要な処置があるのみ。自分に施した広範囲2度熱傷の処置ついて報告致しました。
僕らは、休まないように訓練をうけているので、片手に(たぶん世間で言う)重症な
熱傷にあっても病院は受診しない、というか、そういった時間が無い。
糖尿病でも高血圧でもないので、蜂窩織炎にはきっとならない。ヒビテンできのう痛みをこらえてデブリしました。必要なら正中神経ブロックを自分で局麻すればいいだけ。右手だけでキーボード打ったし、疝痛発作も無表情に過ごすコツも覚えた。診療は休めない。何日も診療してきたので、ガス壊疽にならなければ何も変わらない。
匂いで、菌の種類や多さが何となく。
国立大学の応用物理を学んだ後、国立大学の医学部に入り直して人間の医療に携わられています。
堀川先生は、なんて素晴らしい人生なんだろう。
〝おまえは、体型が壊れているから、生きていればまた会おう〟といってくださいました。そのとおり。名医は違う。真実を通して人心をあっという間に、つかみ取ります。堀川先生を頼っている患者さんは、無数にいるんだろうと思いました。本当にいい先生。

150人以上いらっしゃる前で講師/講演会をしました。一般の方も聴けるようになりました。
一貫したテーマは、〝臨床栄養士さん、臨床の現場で一緒に戦おう〟です。
画像でお見せできる状態ではないので、チラ見。突沸した湯は、手のひら全体を包み、指の隙間をぬって僕から立ち去りました。
マメルリハは、無傷ですんだ。それなのにやつは、剥けて垂れ下がった皮や赤い未熟な肉芽をねらう。自然は、残酷です。言葉は通じない。それでいいとおもう。少なくてもつつきたくない悪臭にはなっていないらしいから。

堀川先生や坂本先生からのコトバを胸にひめて、名古屋を後にしました。
ちょっとガンバってみようと思うけれど、昼休みは事務さんが午後の診療のために午前の集計をするあいだの3分のみ。40秒のトイレのあと、箱買いしたカップ麺がふやける前に食べるのが日課になっている。
午前の患者さんが夜にかかるときには、何も与えられないから、何も求めない。生物学的欲求を一時的に遮断する。
医師になったときから、ずっと同じ生活。生きている間に、僕が守れる患者さんがどれだけ多いかだけ。佐久間町に引っ越してからだけでも、沢山の患者さんを護ってきた。
この前も、心臓のことを僕にしらせるためだけに、何時間も待ってくれた人がいた。今後、僕らには通院されないにもかかわらず。ただ、それだけのために。
僕は、手のひらが焼けても医師の訓練を受けてきたから泣かないけれど、そう言ったときだけ、僕は、静かに心の中で泣くことを自分にゆるしている。
世間は連休かもしれないけれど、たまりにたまった様々なしごとが明日もクリニックで待ってる。左手でキーボード打たなくてはいけない。泣いても、何も変わらないから泣くだけムダだ。
患者さんたちが経験しなくていいつらさを、僕はダムのように少し減らせてあげられているのだろうか、防波堤になれているのだろうか。僕自身には全く自身がない。
僕ら医師は、インフラで道具。〝換え〟はいくらでもある。けれども、がんばらなければ、いくつあってもたりない。砂防ダムのようなものだ。山で廃用になれれば、捨てられていく。換えはいくらでもある。でも、生きている砂防ダムがないと里を守れない。
東大の女性の若い医学生さんは、産婦人科に行くという。なぜ、こちらがわに来るの?君は。と質問してみた。
〝生まれてくる子供や、人の命を守り続けたいから〟とキラキラした目でかわいらしい顔でいう。僕の手のひら全体の熱傷の話をして、国試に熱傷はでるよ、と教えてあげた。光が角膜に反射する彼女の目は、僕が守ったマメルリハのつぶらな瞳といっしょだ。僕の腐りきってしまった目とは違う涼しげな輝く瞳。
手のひらで、とりあえず面積を測るんだけれど、僕は手のひらがダメになっちゃったし、グローブみたいにむくんでるから計測が不正確だね、といって黒ずんだ指を痛みをこらえて曲げてみせたら笑っていた。やがて彼女は、救外の扉があいた瞬間に急患に突っ込んでいって、皆に指示号令をかけながらコッヘルやペアン、無数のモスキートで断端動脈を結紮しながら赤ちゃんや女性を護り続けるんだろう。
なんてカッコいいんだろう。〝クロスマッチ終わってるでしょ。12単位の輸血お願いね〟とかいって麻酔科の先生とほほえむ姿が思い浮かぶ。
女性医師は、思い切りもいいし丁寧で美しい。寝ていないはずなのに、くさくないしどこかで姿を整えている。人間の容姿を捨ててない。
皮膚科の女性医師の先生は、〝一発で焼ききんなきゃ、痛い回数がふえるだけでしょ〟と患者さんにいって、手のひらや足裏のHPVのイボを焼き切っていた。なんてカッコいいんだろう。
美しい彼女には、現場でムリせず長生きしてほしいとおもう。心からそう思う。おじさんたちが、盾になれるなら、上から振ってくる弓矢から彼女たちを護りつづけたい。もちろん、青年たちも。
僕は、ガンバって渇水をふせぐ水道管や蛇口ぐらいの価値にはなりたい。一滴ぐらい運べれば、運べる可能性を示した、と若者に詭弁できるかもしれない。物事は、ポジティブに考えるべきだ。
管理栄養士の皆、臨床の現場にでてきて欲しいと思う。共に、病と戦おう。僕らだけでは、網の目があらすぎる。
説明したとおり管理栄養士の皆にしか、守れない命があるのだから。