熱中症は“熱による人体の障害”です。
内臓も脳も筋肉も血液ですら高温だと障害をうけます。
汗だけでなく、皮膚の毛細血管を拡張させたり収縮して人体は体温調節しています。
皮膚温があがると、熱を体内にもってきてしまうことになる。
気温、太陽光、輻射熱、湿度、風などの影響が大きいです。
そこをきちんとお話ししました。
お天気の方が、台風が迷走していて、湿度と温度が上がっていることをご説明されていました。
汗が気化しにくいので、体温が上がりやすい。
光エネルギーは吸収されると熱に変わる。
ビルや道路からも熱が発せられている。
何より、例年より気温が高い。
体を湿らせる対策、光を反射する白い服、普段からのタンパク質摂取がアルブミンを増やして循環血漿量を増やします。牛乳だけでなく、豆乳でもいいし、焼き鳥でもいい。
そんなことをお話しました。
プロデューサーさんたちスタッフは、本当にたくさん準備しています。
彼らは、ひたむきに働く。
暑い中、外出せざるを得ないときには、スーパーやデパート、コンビニなどお店に入るのがいい。地下道で移動もいいでしょう。地下は地上よりも気温が低めで、太陽光を遮ってくれます。
日本救急医学会のガイドラインや
厚労省の指示に従って、お話をすべきだと思っていました。
暑さ指数(環境省)もとても参考になる。スポーツをしたり労働につく人は必須。自動的に計算してくれます。今日の東京は、【危険】。
意識障害の人々を必死にみんなで拝見していたころをぼんやり思い浮かべながら、テレビカメラのレンズを見ていました。LEDがICUのモニターみたいだなとか。ボーっとしていたので、“この医者の方が熱中症なんじゃない?”とか思われたんじゃないかと思う。意識レベルはJCS2ぐらい。
暑さを避けて、冷房を入れる。基本はそういうことです。
僕は、“熱から逃げろ”と患者さんに伝えています。
低体温症も、“冷却から逃げる”しかありません。生き物の人間は、対応できる環境に限界があります。
水飲んでも塩とっても、扇風機にあたっていても、熱でゆだれば臓器は傷む。不可逆の変化がからだに起きてしまうと、僕らは助けることができない。どんなに“死なせない”と医療者が強く思って、全力で加療しても反応せず悪化しつづけていってしまう。
今の医学は、人体の物理的変化には無力です。
機械的ダメージや、熱によるタンパク質の変化、放射線による遺伝子障害などなど・・・
筋肉運動をすると、体内で熱が発生する。気温と筋肉がつくりだす熱のダブルパンチを、
“労作性熱中症”’(リンク先は三宅先生;救急学教授のNHK講座です。三宅先生は熱中症ガイドラインもまとめられました)というものになる。
意外にも、屋外労務よりもスポーツで重篤になりやすい。足に筋肉の70%が集まっています。照り返しの輻射熱も強い環境だと発症しやすい。マラソン、屋外のトラック競技、サイクリングなど屋外で足を使うスポーツで発症しやすい。
日本スポーツ協会が指針をだしています。これに逆らって、運動を指示して熱中症をひきおこす指導者は辞めさせるべき。命と引き換えにしていいスポーツなんて存在しない。僕は、子供たちの命を愚弄する行為をひどいと思う。人体への熱エネルギーの物理的侵襲に、全く役に立たない根性は不要。こどもを守るのが大人の仕事のはず。
暑い日は、図書館もおすすめ。子供たちは屋内プールが良いかも。
クーラーが効いた部屋でゲームをのんびりでもいいです。聞いてみるとテレビゲームでもいいけど、子供たちはリアルなものを動かす
ボードゲームが人気。いつの時代も、人間は変わらないです。
人生ゲームだけでなく、とても進化しています。カワイクてキレイで推理するやつとかは、女子大好き。男子は動きのある野球や戦闘ゲームでもいいかも。シンプルな方が飽きないです。
暑いと免疫力が低下します。アデノや溶連菌、胃腸炎がとてもはやっています。カゼの予防をしながら夏を楽しむのがいいでしょう。
熱から逃げる方法を考える、です。それしか手はありません。