米国インフルエンザと中国コロナウイルス / 報道をお手伝い / 6人兄弟の末っ子の鼻かぜ
クリニックには手洗いの石鹸とアルコール系消毒薬を完備してきました。
昨日ご依頼があった報道のうち、形を変えて一つテレビ番組のお天気コーナーで放映されることになりました。
監修しながらおとといの外来の事を考えていました。
80を超えるおばさまと会話をしました。常連の患者様。
「先生、だんなさんがイジワルなんです・・・(その後5分ぐらいの諸々の不満)」
「ああ、そんなんですか。それは大変ですね。でも、どうしてそんな旦那さんとご一緒になったんですか?」
「旦那さんは6人兄弟でね。兄弟みんないい人だったんです。自分の家族も気に入っていて。私の器量をきにいってくれた人と結婚しました。」
「そうなんですか。ご結婚後、だんなさまのご兄弟どうですか?」
「それがね、うちの旦那さんがいちばん優しいって、うちの家族がいってるんです」
「じゃあ、優しいご兄弟の仲の一番優しい男性と結婚されたんですね!」
「私が、高望みしすぎていたかもしれないです。そうそう、優しいところがあって・・・(のろけ話5分)」
という朝の良いお話でした。旦那さんだけみていると不満だらけだったけれど、旦那さんの兄弟と比較したとたん嬉しくなってしまったみたいです。人間の感情にはバイアスがあって、得ているものより失われるものにより強く反応する。
コロナウイルスも兄弟の一つ。比較の中で考えるとその存在のシルエットが明らかになる。
悪魔の証明というのがあります。悪魔は何かを証明するのは難しいけれど、「それが悪魔ではないということ」は証明しやすいというものです。
中国のコロナウイルス2019nCorVの毒性は、強毒エボラウイルスほどではない。
中国のコロナウイルス2019nCorVの毒性は、アメリカで猛威を振るっているインフルエンザウイルスほどではない。
そういうことだと思っています。少し悪化しやすい鼻かぜ。致命率は、他のウイルスと比べてとても低い。
僕ら医師は、アウトブレイクが起きてしばらくした状況を拝見すると大体のことが想像できます。CDCやWHOの対応速度を見るとさらにその「焦り感」の無さが伝わってきていました。今日のWHOの緊急事態宣言も拡散についてが主。
(追記;worldometerでも致命率fatality rateは、患者数と正比例の直線を描いていて上昇することなく2%に過ぎないことがわかります。また、今年インフルエンザで亡くなった方はコロナの200倍多い状況。)
今回の鼻かぜの騒動は、扇動的だったので放映されるたびにチャンネルを変えていました。パンダさんが白日をドラムするチャンネルが好きでブルーノマーズ24Kなんかも見ていました。
今日も不安になった患者さんへの説明を続けています。みんなホッとしている。
僕は秋葉原への通勤にマスクをしたことがありません。これからもするつもりありません。僕みたいなバカは風邪ひきません。どうせウイルス素通しなのでマスク売ってなかったら買わなくても変わりません。
岡部先生へのインタビューが載っていました。お変わりなく懐かしいです。的を射ている。ウイルスを保有しても発症しないこともある弱毒ウイルスを水際で阻止することは不可能です。
感情的で科学的に意味のない魔女狩りのような行動を理性でコントロールすることが必要です。それが、人と人、国と国のいさかいごとにも役に立ちます。いつだって、冷静に協力しあうほうがポジティブな未来をもたらします。
アメリカのインフルについて触れてほしかったけれど、お天気コーナーとのことで叶いませんでした。別コーナーできちんと取り上げてくださるとのこと。そっちの方が、世界的には問題になっています。
科学的な真実・ファクトフルネスに基づいて物事を判断する能力を個々の人々がそなえているのが、日本の良いところだと思っています。
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