秋葉原駅クリニック/お仕事

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2020年2月24日 (月)

ヒトが作り出した人工ゲノムやモノと自然の境界があいまいになる

Midtown1

ミッドタウンに遺伝子治療のお話をお伺いしにいってきました。

お薬の本や治療法について本も上梓してきたので興味深く拝聴しました。

これまで人類は自然界のものを生成するところから始まり、化合物を探索して合成して薬剤を作ってきました。

さらに、抗体医薬品といった「なまもの」や、標的になる免疫システムを調節する医薬品も登場してきました。

その延長線上で、今度は遺伝子そのものを投与したり、遺伝子を改変して体にもどして治療する方法が実用化されてきました。

人体で動いているシステムに化合物はなんらかの影響を与えます。
遺伝子治療は、人体で動いているシステムそのものを補完・修正するものです。

自然界の物質→純粋な無機化合物→有機物→遺伝子
というように変遷してきました。

遺伝子投与も、ウイルスベクターを用いて静脈注射へと進化しています。
ウイルスの中に有用な遺伝子をいれて運んでもらうというものです。

同時に、どんどん医療品の価格は上昇し、遺伝子治療薬は数千万から数億の値段がつくようになりました。

発表の中では、追加で化合物治療を加えることにより最初の遺伝子治療の効果を高める方法について言及がなされていました。
ターゲットになる作用点に様々な新しい方法を重層することも開始されています。

やがて、神経幹細胞を活性化させて物忘れを改善する治療薬もできてくるかもしれません。

さらには、テロメアを延長することで寿命を延ばすという方法も開発されるかもしれません。
すでに、がん細胞が不死なのはテロメアを自分で延長するテロメラーゼを保有していることも明らかにされています。

がん細胞に短い寿命を与えることができるなら、自然治癒という治療に直結します。
がん細胞にだけ短い寿命を与える遺伝子を撃ち込めるようになる方法も登場してくることでしょう。

同様に、たとえば正常な皮膚の幹細胞のテロメア延長の遺伝子を導入できれば、皮膚の老化を防いだり若返りが可能になるかもしれません。

何億円もの価格がつくことは間違いないとおもいます。

遺伝子の仕組みが発見されてから数十年。人間は、人間の遺伝子をモジュレートできるようになりました。
さらに、受精卵のゲノム編集も行えるところまできてしまいました。遺伝子導入とかではなく、世代を超えていくゲノムを変えてしまう。

治療に使えばよいのですが、人為的に遺伝子を操作したヒトという生き物は何と呼ぶべきか。
自然淘汰は長い時間をかけたゲノム編集圧力とも呼べるので、人間が短期間に与えた変化と時間の差しかありません。

人間のゲノムに眠っている才能があるかもしれないし、細胞核が保有できる最大のゲノムを追加できるかもしれない。
染色体が46本である必要もないかもしれない。それは、ヒトとよべるのだろうか。

そもそも僕らホモ・サピエンスは、ネアンデルタール人と旧ホモ・サピエンスとの混血です。
自然界がホモ・サピエンスに与えた大規模なゲノム編集。

加速度的に科学は進化しています。
人間がヒトを進化させ、進化したヒトが未来のヒトを作るというスパイラルは、きっと止められない。

ナウシカやGのレコンギスタと同様に、科学の進化を人類が止められた試しはありません。

人間が手にする治療方法は、ムーアの法則以上の速度をもつ指数関数的なのではないかと思っています。
ヒトが関与しないものと、ヒトが自然界に及ぼすものとの境界が曖昧になっていく未来。

ヒトが作り出したものなのか、もともともヒトが存在するよりも前にあったものなのかも曖昧になる。
タグがついていなければ、遺伝子が人工的なものかどうか僕らには見分けがつかない。

ヒトが改変した環境をその時代には人工的とよぶものの、それが次の世代のヒトには自然になってしまう。
すでにAIが作ったバッハ風の曲の方に、バッハの曲より感動するようになってしまっている世界。

未来のヒトは、AIが個々のヒトにカスタマイズされた喜びを与えるものを芸術と呼ぶかもしれません。携帯端末が、僕の脳を外耳道からサーチしてちょうど良い音楽を即座に作り出して鼓膜へ聴かせてくれればそれで済んでしまう。

脳からフィードバックして音楽を作成するなんて、環境音をサーチするノイキャンnoise cansellingじゃなくて「脳キャン」brain scanningじゃないかと思う。皆んなが自分の脳にあった違うものを聴いているから、多くのヒトが一つのものを追う「流行」というものもなくなる。携帯端末は、スキャナーと作曲再生装置なので記憶媒体ですらない。

遺伝子治療の話を聴きながら、僕は展開されていく未来の世界のことを考えていました。

僕の意識は、その場からスグどっかに行ってしまうのが困ったところです。
そして「本当は聞いていないでしょ」と鋭く指摘する人が存在することは、もっと困ったところです。

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