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2020年8月 7日 (金)

自然界の法則 / 事象を観察して予測を立てる

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クリニックは院外処方なので、必要最低限のもの意外ほとんど薬は置いていません。
けれども、世の中から無くなりそうなものは、患者さんのためにあらかじめ備蓄しておく様にしています。

アルコールもマスクも備蓄が十分だったので、患者さんに配り続けることができました。
今度はイソジン。クリニックにある程度備蓄しています。必要な患者さんに実費でお分けしています。

昨日、新しいコラムが公開されました

2月に予想した通りの半年後の8月になっています。新しいウイルスが登場すると、まずは大はやりして、その後ゆっくりくすぶる蔓延期(まんえん)にはいります。

まん延期がどの様な状態になるかは、ウイルスによります。新型コロナウイルスもコロナウイルスなので、季節性コロナウイルスの性質を帯びることが前提になります。エボラやノロウイルスの性質にはなりません。

 

どんなに注意しても、症状を出さないウイルスを完全に防ぐ手立てはありません。
水際が無いので、ゆっくり拡散していきます。集団免疫を目指すとか、そういうことでもありません。それは、人間が勝手に考えることであって、ウイルスは物理法則に従って拡散していく。

 

喉や鼻の粘膜は、温度が下がり乾燥すると免疫力がさがります。夏は比較的ましなので、ウイルスは流行りにくい。だから、今はどちらかといえば小康状態かもしれない。

 

人間ができることは、交通整理だけです。感染症をどの様な人がどの様にしたらよいのか、日本でどうしていったらよいのか、その方法論を考えるべき時期だと思います。それぞれの国のお国柄や事情があるとおもう。

 

何かをしたら、ウイルスをコントロールできるということは、人間のおごり。
感染を完全にコントロールできているか?という質問はナンセンスです。
最初からNOだからです。


川の治水のようなものです。
大昔からそこに流れる川の流れをせき止めることはできません。四万十川や石狩川を堰き止めることができるでしょうか?
最初から答えはNOです。
人間は、流れる量を調節したり流れる向きを変えたり、洪水の頻度を下げる堤防を作るぐらいのことしかできません。

 

僕は、起きている事を丁寧に予測して困らないようにしてきました。人間にできることはそれぐらいしかない。野生の勘を信じて、騒ぎになる数ヶ月前にアルコールやマスク、イソジンを備蓄してきただけです。そして、患者さんのために役にたつようにする。
患者さんの病状の予測も同じ。そっと、できるだけ先回りして困らないように気を配る。

 

様々なことが喧伝されても、人間が大騒ぎしても、それは社会的なこと。
自然界は、それとは関係なく物理法則のような摂理にそって進んでいきます。
重力が嫌だと叫んでも、放物線を描かないで物を投げたいといってもムリな話です。

 

人間は、これまでの事象観察から放物線の形を計算できるようになります。
物理などの自然科学はそうやって進化してきました。
ハヤブサが小惑星にいけたり、カミオカンデでニュートリノの非対称性を観察しているのもその一つ。

細菌学やウイルス学も一緒。
メガウイルスやアーキアの概念も、発見と観察から発展してきました。
私たちを形作る体の細胞と、ウイルスは連続した存在です。

だから、無菌の自分に、コロナウイルスがうつらないように恐怖に怯えるのは間違いだと思う。
どの人の体にも、常に無数のウイルスや細菌が暮らしている事を認識する方が大切だと思う。


丁寧に観察を通して、人間は重力の影響と放物線の形を計算することができるようになる。
僕らベテランの医師は、何回も新しいウイルスの登場の現場の真っ只中を何回も経験してきました。
人々の右往左往も初めてではありません。

 

今までと違うのは、僕が論文を書いたり新聞のコラムを連載したり本を書いたり文章を書く練習を積んだこと。
場を与えてくださる応援してくださる人々が、たくさんいらっしゃること。

 

空に投げられて運動中の物体の放物線の予想を、丁寧に綴っていこうと思っています。
自然界のほとりに暮らしている人間にできることは、それぐらいの小さなことだけだと思っています。

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