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2020年10月

2020年10月29日 (木)

朝のスタートダッシュ / 一つ一つの作業が生活そのもの

Coconut1

前の日から冷蔵庫で低温1次発酵させておいたココナッツのパンを焼きました。
190度で15分。白くしたいので、低温でゆっくり焼いたりしています。


シスコのココナッツフレークが真っ白で優秀。香りと食感がよいので、パンに活かしたいと思いました。真っ白な良い香りの柔らかいパンを目指すことにしました。レシピは無いので、手探り。

粉砕して通常のバターロールパンの生地に練りこんで作りました。
とっても美味しい。ビギナーズラック。家族も喜んで、すぐに売り切れました。残りはクリニックの昼ごはんに。

Photo_20201029100201
練りこみと1次発酵中に、フレークが水分を吸収して思ったほどサクサク感はなかったのがカイゼンの余地ありです。

併行して骨付きマトンをローストして、圧力なべでマトンカレーを炊き込みました。夕食のための準備です。圧力なべは密閉されているから、いじらないで加温して置けばオートクレーブ後の大きな缶詰みたいに無菌に保てます。

クミンシードをたくさんいれるのと、仕上げの時にガラムマサラとかほかのスパイス、シナモンを入れるととてもいい。野菜は根っこからヘタまで皮ごとみんな使っています。キャベツの白菜の芯は甘くておいしい。ピーマンのワタは種の香りが高い。

ラムやマトンカレー自体の水を少なめ辛目にして、食べるときに生クリームを追加すると中央アジアから地中海に渡る砂漠の民の食べ物みたいになります。僕は野菜だけでほとんど水を足しません。白菜で水分量調節したりしている。

Matoncurry

パンのオーブンの予熱切り替えを確認して、朝のシャワー。

出来上がった洗濯物を干して出発しました。

順番としては、一番時間がかかる洗濯機のを開始して、1次発酵が終わったパンを出し2次発酵、カレーの材料の肉類をグリル、皮ごとジャガイモのレンチン過熱、カレーの煮込み開始、2次発酵後の成型ベンチ、ジャガイモを出してオーブン予熱してパン焼き開始、コーヒーメイキング、シャワー中にパン焼き上がり、カレー味見して再加熱して火を消す、洗濯もの干す、みたいな感じの流れです。

僕は勝手に白米より皮ごとジャガイモがカレーや肉に合うんじゃないかと思っています。

作業終了までの時間が長いものを前に持ってきて、いくつかの作業の待ち時間の中に他のものを重ねていく組み立てはレゴブロックのようで楽しい。出かけなくてはいけない時間は決まっているので、それぞれの作業をコンパクトにしないといけない。

時間が不安定になる特に発酵ものの安定性が鍵になる。

作業が終わると、昼夜のおいしい食事が出来上がっています。太陽で乾いている洗濯物も気持ちいい。仕事している間、太陽と風が仕上げの作業をしてくれていると思うとうれしい。

少し遠回りして走ってから駅に行きました。普段から走れるSalomonやTimbuk2などのリュックとシューズで通勤して機動性を保つようにしています。薄いカッパもいれているので、少しぐらいの雨なら問題なく全天候型。

寝おきに目をつぶってやるべき手順の順番を組み立てる。少し早起きしたら、そこからスタートダッシュで作業を始める。日常の保清や食事の準備を完了し、日差しを浴びつつ仕事へと走る。

一つ一つの作業を丁寧に行うことが、生活そのものなんだと思っています。リズムを生む。
スクレーパーやボウルを洗うとき、手を打つ透明で清冽な水の流れを眺めつつ考えていました。

2020年10月25日 (日)

湯種パンを焼く / 高温短時間で焼き切る / 機能性パン

Yudane2

湯種のパンを焼きました。

元々の生地をこねまくらないといけないので、時間がないとできません。

湯種は粉+熱湯の重量比で20%ぐらいにして、水分調節用に使っています。もっと多くすると、ふっくらしにくくなりクラストが厚くなったりして安定しません。100%だとグリアジンとグルテニンが絡み合う前に変性してしまい、グルテンができないので「すいとん」になります。

湯種は急いでいる時には、ポリ袋に粉を入れて熱湯を注いでミトンをしたままモミモミします。少量のパン用には、それで十分。

Yudane0

チタン製品のホリエ社と共同開発していたときの、チタン製ボウルをいつも使っています。軽くて形がいい。光触媒で清潔にたもてます。

この、すべすべのモチモチ感がでるまでこねるのが幸せを生みます。粉→パラパラ→モチモチ→クリーミーと生地が変化していくのが楽しい。グリアジンとグルテニンからグルテンへと分子構造が変化していく。その中でも微生物が増え続ける。

良い粉だと、すでに香ばしさの中に酵母の生み出すアルコールのようなケトンのような甘い香りが立ち上り始めます。VIRONのフランスパンなどが好きなので、市販されているVIRONの粉を使うことが多いです。

全粒粉も含め、そのほかの粉は北海道産にしています。酵母も十勝産。VIRONの時には、酵母はsaf。ちょっとだけテロワール。

Yudane1

1次発酵を行い、3分割。最終的に390gぐらいだったので、一つ130gぐらいです。スタートを決めたら、タイミングよく練りながら粉を足したり牛乳や生クリームやオリーブオイルを足しています。

僕は、小麦の香りを覆ってしまうのでバターはあまり使いません。自分だけならパンはイーストや麹で変化する小麦の香りを楽しみたい。リーンな中に少しリッチ感があるのが理想。

今回は、みんなで食べるので生クリームで最後の水分量を調整しました。塩は1g以下、砂糖は使わず蜂蜜5gぐらいでした。

さらに、米麹を入れてすこし生地を放置してプライマーにしています。その作られた糖を利用すると蜂蜜は5gぐらいでも勢いよく発酵して大丈夫みたいです。麹による前発酵は、探してもみつからないので僕は勝手に0次発酵と呼んでいます。麹の0次発酵をすると、ほんのり桜のような香りが追加されます。

Yudane3

湯種80gぐらいだったので、だいたい20%ぐらいになっていました。

焼く時には200度以上の高温15分以内で焼き切ることにしています。
ゆっくり焼くのは水分を失うだけであまりよくない気がする。きちんと発酵していると、スポンジの間の生地が薄くなっているから焼き切れる。

どれくらい保水させても、発酵が進んで生地が支えられて生煮え状態にならないかは、本当に経験と勘になります。

寒い時には発酵時間を長めに、湿気の多い時には水を減らして油分をふやすとか、パンは生き物そのもの。

Usaginoperetto

僕だけが食べれば良いパンは、おからとかフスマとか青汁の粉とか食物繊維やプロテインが全粒粉より多いハードパンです。膨らまないことも多い。重量だけはあって、重たい。草食動物や鳥がたべるペレットと呼ばれています。パンダのエサと言われたこともあります。僕は、機能性パンと呼んでいます。

この緑の塊には青汁の粉だけでも20g、フスマ15g、おから5gぐらい含まれています。全粒粉は120gぐらい。小さいのに、なんか重たい。笹の香り。ナッツ版を作ると、甘くないナッツバーになります。

今回は休日なので家人の朝食を飾れるように、モチモチの香ばしいパンにして焼きました。白にオレンジ色が美しいオレンジマーマレードパンも作った。焼き立ての味見が一番うれしい。人工的に加えて整えたものではない、小麦本来の甘味や果物の香りがいい。

次は、診療日用の緑色の笹ペレットを焼く予定です。

2020年10月22日 (木)

ART BRUT / 小林瑞恵さんの本が届きました

Artbrut

東京医科歯科大学の時からお世話になっていた小林高義先生。先生は、米国で筋肉の大家の先生の薫陶を受けた本格的な神経内科の先生です。筋ジストロフィーやチャネロパチーの専門家です。

今は、金沢文庫病院にいらっしゃいます。

娘さんの小林瑞恵さんは、キュレーターをなさっています。

美しいカレンダーをいただいたこともあります。

小林先生から、娘さんの集大成の本をいただきました。

人々の魂がそのまま絵に映されたような印象を受けます。

ART BRUTは生の芸術、という意味でデュビュッフェが使ったものとのこと。

人間の脳には、うかがい知れない能力が眠っているとおもっています。

そのイメージを他者に伝える手段の一つが、絵画。

見ていて飽きない素晴らしい本でした。
小林先生、ありがとうございます。

2020年10月21日 (水)

機能性パンを焼く / 食物繊維と脂肪酸

20201020bread

普通のパンは上手に作れるようになりました。

右側は、全粒粉と北海道小麦で米麹酵母とドライイーストの共発酵です。
水を使わずアーモンドミルクで作りました。砂糖と塩は使っていません。

米麹をいれてしばらくすると、小麦でんぷんが糖に変わるのでそこでドライイーストを投入しています。ほのかにアルコールやケトンのようなにおいがします。

奥は、青汁の元を粉の重量比で10%近くと抹茶を入れた全粒粉パンです。粉はドライイースト。

プロテインを大量に入れた酵母発酵パンも作りました。

糖質、食物繊維、タンパク質、脂肪酸を変化させて「機能性パン」を作っています。
入れたものが食べ物になるので、自分で調節できます。
パンにすると、ハンドリング、保存、量の分割が容易になります。簡単な栄養コンテナになる。

ふすまやおから全粒粉は、小麦粉よりもさらに安いので価格的にも有利です。魚も安いアラを買って煮つけにしています。頭部の方がオメガ3が多い。皆が欲しがらない要らないもので、より健康になる。生き物の命をムダにしない。

焼き上がりの保水量などを調節して、モチモチ感をキープできるようになりました。

朝か夜に作って1次発酵させて、その後2次発酵させて焼いています。

あまり計量しなくても投入する中身のバリエーションが変わっても、生地の状態で判断できるようになりました。

静かに、黙々と酵母と小麦の香りが立つ生地をこねると精神が落ち着きます。

様々な細胞を培養する研究をずっとしていたので、液体培地ではなく固体の培地で細菌培養をしているイメージです。

生き物との対峙の一つです。

2020年10月16日 (金)

日本企業が僕らをバナナリパブリックから救うかもしれない

Bananarepubric

「富士通が政府向けクラウド事業に本格参入、政府機関特有の安全性基準に対応」という報道がなされました。

日本製の技術がAWSを迎え撃つと考えてよいかもしれません。

自分でやれる力があるところを見せられるのは良いことです。

自国の経済を育てなければ、対外資本の草刈り場のバナナリパブリックになってしまう。

昔はバナナだったかもしれないけれど、今はデータです。
美味しい果実は、データ。
港や畑はいらなくなり、契約とソフトウエアとデータセンターがあればデータが輸出されます。

人間に感知できる音も匂いも伴わず物の移動が何もない。
ただ、データだけが電子的に輸出されていく。
そして、その量だけ国の富が海外に流出する。

僕らの情報はフィンランドやアイスランドにあるかもしれない。
データの移動は私企業で秘匿化されているからわからない。

僕らに公的な意味をもつものでも、クラウドやシステムは彼らの個人的な持ち物だから、彼らの持ち物に変わる。
それは、国民の情報が誰かの私有物になること、つまり国家が徐々に誰かの私有物になっていくことを意味する。
それが、デジタル社会の掟というものだ。

基幹インフラを売却するということは、そういう意味を持つ。
公的文書がPDFやワードといったものになってしまっていて、トロンやリナックスでないのと一緒だ。
文書のインフラぐらい、自国独自のものでもいいかもしれない。

指示された「バナナ」つくっても、自国民は美味しい果実をたべることはできない。
それがバナナリパブリックという国。
データを生み出し、様々な工夫を編み出しても、みんな北欧や北極にいってしまう。
代価はほんのちょっぴりあればいい方。

できないから、僕らにお願いしてるんでしょ、と彼らはいう。
そして、モニター上で日本の公的情報をグリグリする。

AWSについては、ちょっとがっかりしたけど、それを乗り越える方法を考えなくては、というエントリを書いたばかりでした。
アマゾンは、本をAudibleで読んでもらっているから感謝している反面、どんどん日本を購入しているみたいでちょっと怖かった。

まさか富士通が反撃するとは。ちょっと嬉しい。
日本の国民がすこしだけ果実を食べれるチャンスが増える。

日本は、やればできる子のはず。
官僚の人々には、海外の企業と仲良くしながら自国民に利益を還元するシステムづくりを怠らないかじ取りを願っています。

コロナなんて、一過性の問題。
クラウド化は、永遠に続く国の基幹の問題。

僕らのデータは、自国企業に守ってもらいたいです。

気を吐け、日本企業。ガッツを出してもらいたい。
がんばれ。

日本が現代の「バナナリパブリック」にならないことを願っています。

2020年10月14日 (水)

NINTENDOのジョイコンを直す / Joy-Conドリフト

Joyconrepair

NINTENDOのスイッチでキャラクターを少し前に出そうとすると、クルクル回り続けるようになってしまいました。

クルクルくるくる。
JOYーCONドリフトというらしい。

前に行かない。千円ぐらいかと思って購入しようとすると、なんと2つペアで8000円!片側だけでも5000円弱!

なんとかならないか、調べたら1800円ぐらいで4つジョイコンを直せるリペアキットをみつけました。フル工具セットと呼ばれるものです。

YOUTUBEとかでみると、PCのCPU交換よりずっと楽な作業のようです。
バッテリーが両面テープで固定されているので外すところがドキドキでした。

できるだけフレキシブルケーブルをいじらないようにして、手間を省いて交換しました。

交換した方が、動きが良い気がします。

バッテリーがへたっても、構造を理解できたので交換できます。
ネジが小さく、微妙に形が違うものが混じっている点だけが難点でした。

拡大鏡を使わないでも大丈夫な大きさだけれど、精密ドライバーが合わないとねじ山を潰してしまいます。

最小限にしても、ねじ山の上のケーブルとユニット接続交換のための2箇所のフレキシブルケーブルを外す必要があります。ユニットの上にフレキシブルケーブルの下に隠れたネジが一つあるので、見落とさないように。ボタンのスプリングも外れやすいので注意です。

ドライバーとピンセット付きリペアキットをおすすめします。

ユニットを分解してお掃除だけで直る可能性もあります。
精密ドライバーセットをもっていれば、無料で直せるかも。最初に試してみるべきだったかもしれない。

次壊れたら、まず清掃。

10−15分の作業でした。
直すのに失敗して壊れてしまったら、黙って買い替えましょう。

2020年10月12日 (月)

マメルリハのひなたぼっこ

Mameruriha

休日は、鳥の紫外線摂取のために日向ぼっこをさせています。

まだ、寒くないのでそのままで大丈夫。

表にいると、ずっと空を見ています。

時折振り返ってゲージをガジガジして、また空を見る、ということを繰り返しています。

ペレットは気にいるものがなく、いろいろな実を混ぜています。
体重変わらず、栄養状態も安定しています。

いろいろなことがわかっているので、良い相棒です。

2020年10月 9日 (金)

サイエンスとネイチャーが日本のレジ袋を救いに来た日

Sciencnaturecheer

なんと、ネイチャーやサイエンスが日本の学術会議や科学界の独立性を支持する表明をしました。

☆☆☆

日本では、トップの方はレジ袋を語っています。

また、コロナでは国民を恐怖に連れていくために、とっても元気だった偉い学者の皆さんたちは沈黙しています。たぶん、とっても忙しいんだと思います。この件に関しては、多忙が続いてコメントがうかがえないことを予想します。

僕は、一斉にアカデミズムから色々な意見が噴出するかと思ったけれど、水を打ったように静かです。無音に近い。
不思議なことです。

日本ではレジ袋と沈黙&無音ですが、海外の方は鋭敏に反応しています。

面白い現象なので、絵を描きました。
おとなしいレジ袋を持ったヒツジです。メェメェ。

☆☆☆

SCIENCEサイエンスの記事はこちら。

Natureはさらに踏み込んで、

Why Nature needs to cover politics now more than ever 

と米国の状況も含みつつ、科学と政治について議論しています。

 


☆☆☆

このどんどん前に進んでいく実践的な性質は本当に素晴らしい。

何が正しいか、どちらが正しいか、どちらが折れるべきところなのか、そういうことではありません。


「これからどうしていくのか?」を新しく作っていくことになります。
Natureの記事も、状況が変わっていくことにあわせて「これから僕らは、科学の独立性や正しさを主張したいから、もっと政治に注文をつけるよ」という内容です。

 The principle that the state will respect scholarly independence is one of the foundations underpinning modern research, and its erosion carries grave risks for standards of quality and integrity in research and policymaking. When politicians break that covenant, they endanger the health of people, the environment and societies.

美しい文章です。

その前のパラグラフで学問は、autonomous自律性をもっているとも述べられています。
もし、功利的に政治が不用意な介入を行えば、それは grave risks 重大なリスクとなり、 endanger the health of people, the environment and societies 人々の健康、環境、人間社会を危険にさらすことになる。

そう伝えています。

☆☆☆

当事者の日本の科学者は沈黙。

人々が怖がっているときに、鞭うつように東京は死人の山になると脅すことには饒舌。しかもブラフで誤りだった。
ファクトとして起きている科学界の危機の時には沈黙。

 

ファクトに基づき正義に忠実な行動を示すことは頼もしい。
NatureやSCIENCEの凛とした孤立したり対立しても譲れないものを自律して語るところに、美しささえ感じる。

僕は、昨日書いたようにNatureやSCIENCEと同じ考えだ。

それが、世界と日本の真の差だとおもう。
いや、イミテーションと真なるものの差かもしれない。

こういった出来事は、それぞれの本質を明らかにします。

 

☆☆☆

追記・・・

夕刻、編集長さんと会話しました。

学者さんは、冷静に国民に話をして理解してもらうべきだよね、という話でした。
きちんと存在理由があるならそれを伝えればいいだけ。

昨日僕が、説明する必要があると感じたのはそういうことだったんだ、と思いました。

直観的に先に結論が判ることの方が多いので、対話というのは大事なものだと実感しました。

 

さらに追記・・・

神経内科の大先輩の、金沢一郎先生(故)も学術会議会長さんだったことを知りました。

神経学会のお仕事や水澤先生(国立神経精神センター、前教授)の関係でもお会いしていました。別件でもご一緒したこともありました。

穏やかな親分な感じと握手した時の分厚い手の感触を思いだしました。

懐かしい。

2020年10月 8日 (木)

日本学術会議の議論への考察 / 存在意義と覚悟

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僕は、日本学術会議について議論がおきている。とても良いことではないかと思っている。
でも、このままでは堂々巡りだともおもう。

そして、本質をつく議論がなされていない気がする。

この問題は、実は私たち国民がどう考えるかにもかかっていると思う。
なんといっても、官房機密費ではなく国の予算という公的な税金の使い道の発露だからだ。
そして、科学立国の日本のアカデミズムを国民はどう考えるか、とても良いテーマだ。

政府とは独立した国の組織である点が重要な点だと思う。
文系理系の研究者も国民の一人であり、しかも多数存在する。研究者や教育機関の先生がたを含め、どう考えるかを自分なりに感じておく必要があるのではないかと思う。

僕は学士院の建物で会議をしたり、大学で研究しているときとか、厚労省の研究をしているときとか、ほんの少しだけ接点があった。

☆☆☆

たまたま最近、患者さんに経済のプロの人がいらして、株主、会社、社長、経産省などの話をしていたところだった。大規模な飲食店がTOBになった背景やその仕組みも教えてもらった。

患者さんから、毎回疑問に思っている会社のしくみやM&Aについてレクチャーいただけるのは幸せだ。

学術会議の議論も少し似ていると思った。
いろいろな記事を読んだけれど、僕の考えは船田元さんに近い

アニメのアトムで描かれているように、サイエンスは人のためにも兵器にもかわる。
遺伝子改変技術Crisper/CAS9がノーベル賞を獲得した。病気を治すことに使えるけれど、同時に受精卵の遺伝子改変にも使える。

他者への共感を持たない強靭な肉体だけを持つ兵隊にふさわしい人間を量産することだって可能かもしれない。

サイエンスの進化は、人類にとっていつも諸刃の剣だ。

☆☆☆

どんな時に学問が人を苦しめることになるかを考えるとシンプルで単純だ。
それは、「誰かが科学技術を正義に反して使うとき」だ。

正義の定義は難しいけれど、カント的な定言命法的なものだと思うとよいのではないかと思う。どの人にとっても条件なしに道徳的に良いものという意味だ。

だから、正義は自律して能動的で自発的だ。
決して功利的な仮言命法ではない。

☆☆☆

日本は、資源がないから戦後の復興の時に科学立国になることにした。
そして、その技術を平和と人類の繁栄のために、つまり正義の元に使うと決めた。
そのアカデミズムは、色々な意図とは独立して存在すべきで悪用されてはいけないと考えた。
そして様々な考えを持つ学者さんたちが、政府と独立した国の機関として学術会議を作った。
門外漢だから、間違えているかもしれない。

もしそうであれば、学術会議という会社の株主もしくはステークホルダーは、国民そのものだ。
政府は監督庁にあたるだろう。

監督庁である政府は、学術会議が会社として正常に運用されていれば、その内容には関知しなくてよいはずだ。きちんと納税していれば税務署は仕事の内容に口出しはしないだろう。

もし、学術会議が政府のために奉仕する組織であるのなら、政府の思惑に従う会社にしなくてはいけない。そこが明確になっていない。日本学術会議自身はどうしたいのだろう?

国のものと政府のものは明確に分けて考えるべきものだ。

時の政権が、国のものである北海道をどこかに売却するといいだしたら、みんなびっくりするだろう。そういうことだ。

政府は、ある時間、国のまつりごとを担当する事務方であって、国の持ち主ではないからだ。国は、国民みんなのものだ。

☆☆☆
日本学術会議がやらなくてはいけないことが2つあると思う。
説明責任と覚悟だ。

学術会議には、国民への説明責任があると思う。

説明すべきことはたった一つの事だ。

自らの存在理由と、これからどうしていきたいかの未来への自分たちの希望だ。国民に問う必要があるし、僕たち国民はどんなアカデミズムを望むかそれぞれが考えておくといいと思う。

日本の科学がマッドサイエンティスト化することを阻止するために、政府と独立した国の組織として学術会議が存在していくという覚悟があるかどうか、それが問われている。

それなのに、レジ袋では先が思いやられる。あぁ。他の先生がたもガッカリだろう。多様性を認めてください、と政府におねがいするのなら、すでにそれはもう、日本学術会議が独立したものでなく政府のお抱えの機関ということだ。

既に存在する多様性を否定するのはオカシイ、と政府に注文できない時点で腰砕けになっている。それならそれで良いけれど、そう明言すべきだ。

アカデミズムが、時の政権の政府と一体化して進んでいくというのも一つのやり方だ。政府の指導を受けて研究開発を進めていけばいいだけだ。政府が反対するものは、研究しなければいい。政権が変わったら、研究内容も変えればいい。教授が変わったら、前の教室員がみんなやめて教授のテーマをやる新医局員だらけになるのと一緒だ。政権が変われば、アカデミズムの構成員も交代する。それでもいい。

だから論点の中核は、多様性なんかではない。学術会議の存在理由と中の先生がたの覚悟だ。

そもそも学問は自由なのだから介入はオカシイという議論も虚しい。国家の税金をつかっているのだから、予算をいただく覚悟と費用対効果の存在理由を示す必要がある。

本当はそこが、議論の核なのではないかと思う。
そして、政府は「お尋ね申す!」と疑問をなげかけたのだろう。どうしたいのか?覚悟はあるのか?と。

レジ袋!←NOW 今はここだ。僕は、平和でほのぼのした日本が大好きだ。

☆☆☆

研究者はバックトゥザフューチャーのドクみたいな人がいいなぁと個人的には思う。人に言われたわけでもなく、自分が好きなことを突き詰めてやる自律的な研究者だ。

セレンディピティは、イグノーベル賞のようなところから生まれるものだ。
ワニに窒素ガスを吸入させて声を変えるなんてノーベル賞級だ。声帯をもたない爬虫類だって声がドナルドダックになる。

ノーベル賞を量産している日本は、自由な土壌があったからこそだと思っている。
政府も、耳が痛かったり、嫌だなとか、しょうもないなぁと思う研究があっても大目にみるべきだ。そうやって、アカデミズムの園の自由と平和と多様性が担保されることが日本の発展につながるからだ。そこが落としどころになってほしい。

自由闊達な心の動きが無いと、自然科学は絶対に進歩しない。

僕は、学問は色々なしがらみからフリーで多様性があってほしいと願っている。研究者自身の幸せのためにも。

2020年10月 7日 (水)

テレビ番組の収録を終える

Gc20200918

元気な若者たちとテレビプログラムのお手伝いをしました。

11月1日朝TBSテレビの「健康カプセル! ゲンキの時間」で食材の話題です。

臨床栄養協会の講師や理事をしているので、尋ねてきてくださいました。

クリニックでの撮影と、ZOOMの撮影、台本の監修などをおこないました。
ZOOMでは、間接的に筧さんがたとお話しました。
番組作りは慣れているので、久しぶりで楽しかったです。

こういった社会貢献になるものはお手伝いしています。

Hituji_20201007110801

僕は羊が好きなので、羊の話もしました。

モコモコしているところと、脚の細くなっているところや胸の部分がかわいい。
いつも笑っているような目やほほのモコモコもいい。

脳の中の羊をスケッチしてみました。

その後頭痛の話題のお話をして、昨日は腸脳相関についてお話をしました。

取材がたてこんできていますが、ひとつひとつ
のんびりやっていこうと思っています。

2020年10月 1日 (木)

コロナ陽性数から逆算する

Coronavirustag_20200509143101

東京では10月1日に新たに235人の陽性患者さんが発生と速報されました。

PCR検査数は明らかにされていません。

東京都のホームページでも9月28日までのデータです。

私は、PCR検査数は5400人前後ではないかと予想します。

陽性患者数からPCR検査数が予想できるのは、安定して少ないからです。

Jyusyousya21nichi(東京都ホームページ)
ちなみに重症者は減少を続け、20人を切りそうですが報道されません。

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