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2020年11月 8日 (日)

真実が放つ質量波 / 流星や不動の星を教え往ぬ

Photo_20201108071001

時として人は争い事をする。
人々を惑わす喧騒が流布され、人々は右往左往する。

夏草や兵どもが夢のあと 芭蕉

喧騒が過ぎ去った後にやってきた静けさを詠ったものだ。

そのときの言い争いや、人間の小賢しい様々なことは時間と共に消え去る。
今日の味方は明日の敵のような疑心暗鬼を繰り返したところで、やがて全て失われる。

きっと、栄華をきわめるために人々が大騒ぎしていたときにも
いつも通り存在していた夏草という真実。

芭蕉は、一人で旅を続けて
そういった真実に耳を傾けていたんじゃないかと思う。

毎年きちんと太陽をうけて太古の昔から繰り返し
青々としげる夏草にふれながら、真実を考えていたんじゃないかとおもう。

真実は、そのもの自体は「私が真実です」とは声高に叫んだりしないけれど、
常にそこに存在し続ける不動点であることによって後で観測されることが多い。

けれど、真実はきちんとリアルに存在するものだから
耳を済ませると固有の”質量波”を放っていることがわかる。

ニュートリノを捕まえる、スーパーカミオカンデのようなものだ。

それを探求する学問が、物理学であり哲学であり動物行動学だろう。
哲学や心理学は、動物行動学の人間版かもしれない。
人間がかってに地面に引いた国境や、暮らしやすく組み立てた社会の仕組みの違い、人種や生活習慣なんかとは関係のないものだ。

質量波は、耳で聞こえる通常の音波とは違う弱い透明な波長だ。
けれども真っ直ぐ直進し、発生源が定点であることから識別することができる。

僕は、がんばって人々の喧騒の中でも
不動点だけが放つ質量波を感じようと努めてきた。

僕は仕事が医師だから、人間が生きるということや、人を癒すために
救急の喧騒の中でも消灯後の沈黙の中でも、ナースステーションの中でも、
クリニックでも真実を考えてきた。

スイッチを切れば喧騒は消える。その静けさの中に波を発する中心点が見えてくる。
入院中のおばあちゃまの白内障気味の瞳に反射する床頭台の灯の小さな反射光の中にも、質量波は宿っている。

喧騒を消し、静かな早朝パン生地をこねたり、トイレ掃除をしたり、運動しているとき、脳には定常波が流れるようになり、質量波を捉えられるようになる。

だから、暮らしのために行う日々の一つ一つのリズミカルな作業が大切なんだとおもう。庭石を一つ一つ磨くように丁寧に暮らすことは、脳を研ぎ澄ますことになる。

そういった作業は、所詮人間が無為な作業を繰り返し生きてるあいだ無数に行っているに過ぎないことにも気づかせてくれる。作業興奮に陥り作業に熱中している間に、何かをしている気分になっている間に年月が過ぎて寿命が宣告されるだけだ。

真実は、単に同じ時間を生きているというだけで存在する自分が観測できる短い時間内の人間社会とは全く別個のものだ。

今、様々なことで騒がしい。これからも続くだろう。
その中でも、どの人も耳を済ませば真実が放つ質量波を聴くことができるはずだ。

流星や不動の星を教え往ぬ 優仁

僕は、人間の都合で変化しない質量波を放つ宝物を
これからも探していく旅を続けたいと思っている。

現実の世の中の些事に対応しながら。

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