流行が収束しているのに日本の抗体保有率が低い理由 / 抵抗力の過少評価
私は、昨年6月「自粛を解くと感染者が増えることをさまざまなクラスターで示したり、抗体保有率が低いと第2波の大流行の可能性で恐怖を引っ張ったりする」とオンラインコラムで書きました。
落ち着てくると登場してくる情報だからです。
メディアのやっていることは、いつも一緒。そのパターンについて分析すると面白いかも。
やっぱりやってきました。抗体保有率1%!
陽性者が減ってくると出現し喧伝されるマジックナンバー!
2回目!すでにコラムに記しています。
終息しているのに何かおかしいぞ?と思う方は鋭い。以下にヒントや参考資料をお書きします。時間あれば図解できるんだけどな。誰かがやってくれることでしょう。宮坂先生なら正しいことを教えてくれるはず。
☆☆☆
1.抗体検出キットによって、抗体保有率(antibody prevalence)は異なってくる →保有する抗体を一部しか捕捉できない
2.新型コロナウイルスへの感度を上げれば上げるほど交差抗体や検査試薬に合致しない抗体を切り捨てることになる →検査で陰性だからといって「かかっていない」というのは間違い。検査試薬によって陽性率が変わってくるのはそのため。
3.日本では感度が高い抗体検査で2回行い、両者が陽性になったときだけ陽性にしている →2とともに新型コロナに抵抗力があるかの指標にならない
4.我々の新型コロナウイルスへの抵抗力、免疫力は細胞性免疫や自然免疫、交差免疫の総和だが、抗体検査では切り捨てる事になる
5.したがって、厳しすぎる検査による一部分の陽性者の割合をもって集団免疫(herd immunity)を語ることはできない
この調査で言うことができる良いこともあります。
6.抗体保有率が何倍も増えた。つまり知らないうちに感染者が激増して治癒し無事国民が抗体を獲得していっている。実際はもっと多いことでしょう。すごくいいことです。神戸では5月の時点ですでに3%を超えていました(検査系の違い)。それからずいぶん時間が経っています。
7.抗体が消えないで蓄積したから何倍にも増加した。新型コロナウイルスの抗体は消えてしまうということはない(あるいはまれ)。
が科学的に正しい。そもそもそんな数字より、現象を正直に観察すればいいのに。
陽性者が減ってしまうと他の数字を持ってくるというのはどうなの?患者さん説明用のブログ書かなくっちゃいけなくなる。
☆☆☆
論文もあります。
実際、抗体保有率約1%はとてつもなく大流行しているインドの5−10%と比べても遜色ありません。米国もインドと同じくらいです。どちらの国も収束してきています。
「5ー10%しか抗体を持っていない。ああ大変。これから9割の人がかかるからさらに大流行する」なんて考える人はいません。収束しているのがファクト。流行は終わりつつある。数字に引っ張られて恐怖をあおるブラフに騙されないようにしましょう。
別な論文でも大流行した米国で7%ほど。
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よくいわれるのが「1%の人しか感染していない」という間違いです。一見当たっているようで、間違えています。
「集団免疫まで程遠い」というのも正確ではありません。
症状を出さずに感染力が強いウイルスが国土に上陸して1年半弱存在し続けて、2回冬を越して集団免疫が程遠いという認識は常識的にありえない。そもそも、日本ではパンデミック流行すらしなかった。
そして収束しています。
☆☆☆
検査試薬に反応する抗体ができない人や、交差抗体や自然免疫で撃退した人はかかっていても陽性にならない。検査試薬は、たくさんの抗体の中の一部分しか陽性にしません。しかも今回は、2種類おこなって両方陽性のひとだけを陽性にしています。
言われてみると、そうでしょう?危なく騙されるところでした。
PCRは感度を上げてできるだけ多くし、抗体検査はできるだけ厳しくして低くする。やっていることが統一されすぎている。
なので、2回とも厳しい抗体検査陽性(感度は高い)だけが感染既往者という情報を聞いたら、それはブラフです。
ウイルスと戦った兵士や戦わなかった市民の集団の中に、グリーンベレーが1%いたということ。グリーンベレー以外の勲章をもらえなかった兵士は戦わなかったというのは間違いでしょう?
100人に1人しかかかっていないという人がいたらブラフです。きっとブラフは同じ方向からやってきます。ブラフだからスピーカーかパペットに語らせて、ぜったい上の方の人は言いません。公式な発表にもならないでしょう。国内の恐怖情報。
正確に記載するとするなら「今回の厳しい抗体検査で陽性だったのは(年齢に偏りあるかもしれないけれど)サンプルの中で1%でした」でしょう。調査の一つに過ぎなくて、疫学的にどういう意味を持つかはスピーカーの感想に過ぎない。
日本の流行が北半球の国々の流行が終息しているというのが、ファクトです。特にこの新型コロナはアジアオセアニアでは流行せず、専用の抗体保有でないもので抵抗力を発揮した人が多い地域です。
この厳しい検出系であれば数%抗体保有率があれば、流行は終息するということです。北半球の国は、同じデータで同じように全体的に終息している。
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ウイルスに対する免疫力を総合的に計測する方法はありません。抗体は一部です。
季節性コロナ抗体で新型コロナを撃退した人は、専用の抗体を持っていません。だから、抗体保有者ではないけれどかからない人。
「私はカゼひきにくい」「私はインフルになったことがない」という人もいるでしょう。自然免疫力が高いひとです。これらの人たちも、抗体保有者ではないけれど別抗体や免疫力でウイルスにかかりにくい人になります。
まるで検査にひっかかるタイプの新型コロナウイルス専用の抗体がなければ、新型コロナウイルスにかかりやすいかのように誘導しています。
抗体価ほぼ1%なのに鎮火していっているのがファクトです。この以前から何倍にも増えた1%が大きいと考えるべきです。
抗体検査だけでは検出できない抵抗力を各国のたくさんの人々が発揮していると考えるのが合理的です。抗体検査でわかるのは、免疫力のごく一部分です。
人類は、あるウイルスに対する免疫力の全体や総計を計測することができません。そういう方法は、まだ開発されていません。
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あすは、PCR陽性者の一部しか抗体ができないことをお伝えします。
難しいことはさておいて、流行は収束しています。
安心させないように、色々見慣れない数字や言葉が投入されますが気にしないことです。専門家こそ終息していることを誰よりも知っているから上の方から、スピーカーの役割を辞め始めています。
収束しているという目の前のファクト以上のものはありません。
ただそれだけです。そんなことしなくても皆んなお家でじっとしてるし、ワクチン打つのに。国民を信頼していないんだろうな。
追記
出演させていただいたclubhouseの中で話題になっていた全国知事会で、ワクチン接種など話し合われたようです。福岡市の市長さんや別府市長さん、樋渡さんは皆んな若く元気な方でした。福岡は元気な人が多いみたいです。
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