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12.研究/実験/大学院

2020年11月24日 (火)

週刊誌のコロナ記事の見出し / ミンナそれぞれ

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今週号の週刊誌の見出しをみるだけでも、結構ためになります。
プレジデントオンライに掲載していただいた図です。コロナの流行の少なさがわかります。
また、今年どうなって来年以降どうなるかの予想図はこちら。

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『コロナワクチン「9割効果」でも 加藤勝信官房長官が「俺は射たねーよ」』 週刊新潮

 『冬コロナ緊急事変 ■菅 放言録「GoTo継続は当然」「専門家は慎重すぎる」 ■「五輪は観客入りでやる」天敵小池と手打ちの宴 ■最多更新兵庫県知事“スナック飲み会“を直撃 ■忘年会心得5か条 やるなら焼肉屋!? ■高齢者「60代は30代の 25倍、70代は47倍 重症化」 ■西浦教授外国人コミュニティ、山梨県を心配する理由 ■宮城、岡山、静岡…都道府県「危険リスト」』 週刊文春

 『コロナのせい? インフルエンザワクチンが足りない』 サンデー毎日

 記事なし 週刊現代

『新型コロナ「これが最後のウイルス変異」家庭内感染がメガ爆発 2020/11/19』 女性セブン

『コロナ禍で増えている! 住宅ローン破綻を防ぐ10の心得』 週刊女性

 

こんな感じです。結構面白い。
1年間ウイルスが蔓延し続けて、1年前より状況が悪化することは常識的には考えずらい。検出系の変化を考慮しない、数の比較も意味を持たないでしょう。

先週は、本作りや実用的な新聞の取材、食品作りのお手伝いなどでとても忙しかった。自粛していないから、どんどん仕事がはかどります。僕らのようなクリエィティブな人間たちは、コロナ対策で自滅するために生きているのではなく来年以降の未来を見据えて今を一生懸命生きている。

3連休は普通に運動して、買い物に行きました。バターチキンカレーや、炊き込みご飯を作りました。

街の人の出は普通に戻っている。自分のボトルをもっていって、スターバックスで素手のお姉さんにコーヒー入れてもらいました。どこにもウイルスなんていない。交差免疫があれば、いないのと一緒です。

良いお天気でした。観光客で各地は賑わったようです。
GOTOによる感染拡大も政府により否定されました。4000万人が利用して、150人前後の増加とのこと。

 『菅首相、トラベル感染原因に否定的 2020年11月23日』

何をするのが『日本では正しいのか』市民が自分で考えて自律的に行動するようになったのは、とても心強いことです。
日本は、日本のコロナを考えれば良いのです。

2020年10月 8日 (木)

日本学術会議の議論への考察 / 存在意義と覚悟

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僕は、日本学術会議について議論がおきている。とても良いことではないかと思っている。
でも、このままでは堂々巡りだともおもう。

そして、本質をつく議論がなされていない気がする。

この問題は、実は私たち国民がどう考えるかにもかかっていると思う。
なんといっても、官房機密費ではなく国の予算という公的な税金の使い道の発露だからだ。
そして、科学立国の日本のアカデミズムを国民はどう考えるか、とても良いテーマだ。

政府とは独立した国の組織である点が重要な点だと思う。
文系理系の研究者も国民の一人であり、しかも多数存在する。研究者や教育機関の先生がたを含め、どう考えるかを自分なりに感じておく必要があるのではないかと思う。

僕は学士院の建物で会議をしたり、大学で研究しているときとか、厚労省の研究をしているときとか、ほんの少しだけ接点があった。

☆☆☆

たまたま最近、患者さんに経済のプロの人がいらして、株主、会社、社長、経産省などの話をしていたところだった。大規模な飲食店がTOBになった背景やその仕組みも教えてもらった。

患者さんから、毎回疑問に思っている会社のしくみやM&Aについてレクチャーいただけるのは幸せだ。

学術会議の議論も少し似ていると思った。
いろいろな記事を読んだけれど、僕の考えは船田元さんに近い

アニメのアトムで描かれているように、サイエンスは人のためにも兵器にもかわる。
遺伝子改変技術Crisper/CAS9がノーベル賞を獲得した。病気を治すことに使えるけれど、同時に受精卵の遺伝子改変にも使える。

他者への共感を持たない強靭な肉体だけを持つ兵隊にふさわしい人間を量産することだって可能かもしれない。

サイエンスの進化は、人類にとっていつも諸刃の剣だ。

☆☆☆

どんな時に学問が人を苦しめることになるかを考えるとシンプルで単純だ。
それは、「誰かが科学技術を正義に反して使うとき」だ。

正義の定義は難しいけれど、カント的な定言命法的なものだと思うとよいのではないかと思う。どの人にとっても条件なしに道徳的に良いものという意味だ。

だから、正義は自律して能動的で自発的だ。
決して功利的な仮言命法ではない。

☆☆☆

日本は、資源がないから戦後の復興の時に科学立国になることにした。
そして、その技術を平和と人類の繁栄のために、つまり正義の元に使うと決めた。
そのアカデミズムは、色々な意図とは独立して存在すべきで悪用されてはいけないと考えた。
そして様々な考えを持つ学者さんたちが、政府と独立した国の機関として学術会議を作った。
門外漢だから、間違えているかもしれない。

もしそうであれば、学術会議という会社の株主もしくはステークホルダーは、国民そのものだ。
政府は監督庁にあたるだろう。

監督庁である政府は、学術会議が会社として正常に運用されていれば、その内容には関知しなくてよいはずだ。きちんと納税していれば税務署は仕事の内容に口出しはしないだろう。

もし、学術会議が政府のために奉仕する組織であるのなら、政府の思惑に従う会社にしなくてはいけない。そこが明確になっていない。日本学術会議自身はどうしたいのだろう?

国のものと政府のものは明確に分けて考えるべきものだ。

時の政権が、国のものである北海道をどこかに売却するといいだしたら、みんなびっくりするだろう。そういうことだ。

政府は、ある時間、国のまつりごとを担当する事務方であって、国の持ち主ではないからだ。国は、国民みんなのものだ。

☆☆☆
日本学術会議がやらなくてはいけないことが2つあると思う。
説明責任と覚悟だ。

学術会議には、国民への説明責任があると思う。

説明すべきことはたった一つの事だ。

自らの存在理由と、これからどうしていきたいかの未来への自分たちの希望だ。国民に問う必要があるし、僕たち国民はどんなアカデミズムを望むかそれぞれが考えておくといいと思う。

日本の科学がマッドサイエンティスト化することを阻止するために、政府と独立した国の組織として学術会議が存在していくという覚悟があるかどうか、それが問われている。

それなのに、レジ袋では先が思いやられる。あぁ。他の先生がたもガッカリだろう。多様性を認めてください、と政府におねがいするのなら、すでにそれはもう、日本学術会議が独立したものでなく政府のお抱えの機関ということだ。

既に存在する多様性を否定するのはオカシイ、と政府に注文できない時点で腰砕けになっている。それならそれで良いけれど、そう明言すべきだ。

アカデミズムが、時の政権の政府と一体化して進んでいくというのも一つのやり方だ。政府の指導を受けて研究開発を進めていけばいいだけだ。政府が反対するものは、研究しなければいい。政権が変わったら、研究内容も変えればいい。教授が変わったら、前の教室員がみんなやめて教授のテーマをやる新医局員だらけになるのと一緒だ。政権が変われば、アカデミズムの構成員も交代する。それでもいい。

だから論点の中核は、多様性なんかではない。学術会議の存在理由と中の先生がたの覚悟だ。

そもそも学問は自由なのだから介入はオカシイという議論も虚しい。国家の税金をつかっているのだから、予算をいただく覚悟と費用対効果の存在理由を示す必要がある。

本当はそこが、議論の核なのではないかと思う。
そして、政府は「お尋ね申す!」と疑問をなげかけたのだろう。どうしたいのか?覚悟はあるのか?と。

レジ袋!←NOW 今はここだ。僕は、平和でほのぼのした日本が大好きだ。

☆☆☆

研究者はバックトゥザフューチャーのドクみたいな人がいいなぁと個人的には思う。人に言われたわけでもなく、自分が好きなことを突き詰めてやる自律的な研究者だ。

セレンディピティは、イグノーベル賞のようなところから生まれるものだ。
ワニに窒素ガスを吸入させて声を変えるなんてノーベル賞級だ。声帯をもたない爬虫類だって声がドナルドダックになる。

ノーベル賞を量産している日本は、自由な土壌があったからこそだと思っている。
政府も、耳が痛かったり、嫌だなとか、しょうもないなぁと思う研究があっても大目にみるべきだ。そうやって、アカデミズムの園の自由と平和と多様性が担保されることが日本の発展につながるからだ。そこが落としどころになってほしい。

自由闊達な心の動きが無いと、自然科学は絶対に進歩しない。

僕は、学問は色々なしがらみからフリーで多様性があってほしいと願っている。研究者自身の幸せのためにも。

2020年3月21日 (土)

「脳を守る」という軸足

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日本は、油断は禁物だけれどもコロナの騒ぎが一段落しつつあります。今日は、つかのまの休日。これまでの仕事を振り返りつつ、ブログの「秋葉原駅クリニック・お仕事」を整理しました。

「脳を守る」医師になりたいという気持ちで神経内科医を選択しました。当時はMRIも無く、やっとCTの時代。脳に空気をいれる気脳写というものが残存していたりしました。筋肉生検、神経生検を自分で行い、自分で夜中じゅう染色して寝ないで朝プレゼンテーションということが普通でした。今は、きちんと技師さんがサポートしてくださっています。

基礎研究と臨床を並行しておこない、論文をしたためてきました。オーソリティーとリアルなものにこだわって基礎と臨床を行なってきました。論文には査読があります。治療には成績が、出版にはインパクトで評価されます。一つずつ、公平な他者に評価されつつ前に進むという作業を繰り返してきました。

未来はわからないままの、ほふく前進のようなカタツムリのような速度。今もだけれども。

日本各地の医療機関をめぐり医療システムを研究し発表もおこないました。

こどもが医療機関にかかることの怖さを減らす本の依頼を受けて、絵本を描きました。

栄養で脳を守り、薬を減らすということも一貫してやってきました。オメガ3のDHAで脳を守るという仕事は、国際GOEDの会合やDHAラボとして結実しつつ継続しています。地中海食を用いた和食への応用も形になり、続いています。

「栄養を処方する」という理想を掲げ、採算を度外視して管理栄養士さんからの栄養指導をクリニックで続けてきました。管理栄養士さんの教育システムも構築し、臨床栄養協会の理事になりました。

女性たちを苦痛からまもろうと、積極的に頭痛診療をおこなってきました。著書をしたため、国際学会や日本精神神経学会、頭痛学会で発表を重ね、日本全国で医師向けの講演会も行いました。お薬を飲めないときのために、AECウオーターをカンパニーイメージの一つとしていただき採算度外視で継続していただいています。

海外留学のタイミングで、都立病院統廃合のお仕事に就くことになりました。今は亡き新田先生の思い出は2009年にも書かせていただきました。病院ビオトープ構想については、その後反響が大きかった思い出があります。リハビリの先生と論文を書いて、賞をとってくださいました。

薬だけでなく、栄養療法、運動療法、リハビリテーションを統合して、患者さんを治療し、地域医療に大きく貢献したことが出版やBS健康番組につながりました。自分で運動しなくっちゃわからないと思って、運動しているうちに沢山走って泳げるようにもなりました。代謝学の論文も読めるようになりました。訓練。

忙しかったけれど、いつも全力で仕事をしました。万事塞翁が馬、だと思って。お仕事はたくさんいただいたけれど趣旨がちょっと違うタイプの時には「ゴメンナサイ」とお断りしてきました。大切な仕事にリソースを集中してきました。

国家資格を得たいと頑張っている人のために、参考書の監修も継続しています。能力の高い方を世におくりだしつつ、楽しい参考書を安価に出版してベストセラーを続けています。苦しい出版業界の中でも、キチンと良いものを作ることで商業的にも成功するためのシステムづくりをしようと挑戦しつづけています。

患者さんをの守るという軸足のもとに、リアルなものを新しく生み出しつくりだしました。
今もたくさんの人々とお仕事を継続しています。懐かしむだけでなく、その先にやるべきことがたくさんある。

出産後にスタッフが戻られる予定になっています。妊娠出産を経ても、雇用の機会を守り続けるという夢がまたひとつ実現される。

ステルスで作られるフェイクやブラフではなく、こうやって地に足のついた「手触り感のあるリアルなもの」にこだわり続けたいと思っています。世の中、何か仕組みを作って「うまくやろう」とすることは、きっと不可能。キザシにも書きました。

まだまだひよっこ。やらなくっちゃいけないことが沢山あります。小中学生新聞の方や「からだにいいこと」の方にもお話ししました。

サイバー世界の発達で正しい情報が拡散するようになって、皆んなの目も肥えて、かえって世の中が少しずつ職人に有利になってきているのかも。サイバーが発達すると、正反対のリアルが評価されるという不思議。

僕は、地道に人々の健康に貢献できる仕事をしていきたいし、そういう仕事に就きたいと思う人々のお役にたちたいと思っています。何よりも、人を癒す人になりたい。これからも、ずっと。

たまに時間軸で業績をまとめるのも良いかもしれない。

2017年10月29日 (日)

脳内に薬剤を届けるナノマシン / 医局の仲間

Img_8499 昨日、一緒にフットサルやバドミントンをした横田教授のプレスリリースがニュースになっていました。びっくり。

初日に皆で食べたラクレットチーズのお店の前で、クリニックを手伝って下さっている山田先生と記念撮影。

脳内に薬剤を届けるナノマシンの開発についてでした。(詳細はリンク先の東京医科歯科大学の広報のページ)

薬剤を内服したり注射しても、脳内に届かなければ治療できません。そのバリアを越える事ができるとは、素晴らしい事です。ビーイクル(乗り物)の技術。

運動後も、新しい技術や疾患概念について若者たちと夜遅くまで語りあいました。仲間に入れてもらえることは幸せなことです。

入局希望の学生さんもフットサルに参加できるような行程にしようかと、横田先生や幹事の先生と相談しました。新しいアカデミズムに触れ続けることは、日々の診療にとても重要なことです。

何よりも、仲間たちの中にいれることが本当にうれしい。幹事の皆さん、ありがとうございました。

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2017年9月 4日 (月)

頭痛の会合 / 管理栄養士の会合 / 国際学会 / EX続ける

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土曜日に頭痛の会合が開かれました。
間中先生と山口先生にお会いしました。
久しぶりにお二方のお話をお伺いしました。

Mcss4 同じセッションだった先生方。五十嵐先生や、鈴木慶応大学教授もご一緒でした。鈴木先生はコペンハーゲンに行かれた後、翌週京都の国際学会とのこと。すごい。

頭痛の会合が始まる前に8km走って、筋トレしたお話もしました。

Mcssmatumoridr 仲良しの松森先生。
脳外科の先生だけれども、神経内科の国際学会に出席されるとのこと。仙台の伊達男に磨きがかかっています。

ZEROに出演されたときのエピソードなどをお伺いしました。

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少し前に一緒に講演会をさせてもらった山王先生もいらしていました。美男美女。

Hiratadr 平田獨協医大教授には、いつもお世話になっています。
論文のお話をしました。ちゃんとカタチにしようと決意をあらたに。日々がタイトであっても、アカデミックなものもきちんと修めていく開業医でありたいと思っています。国際学会には、クリニックから2演題を行う予定です。論文化まで行けることをねがっています。

Lenc 翌朝の日曜日。軽く走ったあと管理栄養士さんの講師のお仕事でした。臨床の現場で活躍できるようにそれぞれの栄養士さんがスキルアップしていきました。頭痛の会合の日程がうまくずれていたので、お仕事ができました。帰宅後、ジムに行き筋トレ+ランニングマシーン4km。

金曜日も、国際学会の資料作りのため遅かったので、ここ数日は光速で過ぎていきました。それぞれが、大切な仕事だったけれどEXも頑張って乗り越えました。

頭痛診療や栄養学会の重鎮の先生方に暖かく迎えていただけることは、本当にうれしい。これからも一つずつ、仕事を大切にして過ごして行こうと思っています。

2017年8月 7日 (月)

ヤマカガシ / ヘビ毒の中和血清 / 科研費

Photo ヤマカガシにかまれた少年が中和血清でたすかりました。

こちらに記事があります(魚拓)。

地道に科研費でヘビ研究所が作った血清とのこと。主任研究員で所長代理の堺淳博士の話は、心を打ちます。こういった命を救うインフラ事業こそ、継続的な財政的なバックアップを国は行うべきです。

ヘビは、食物連鎖の上位に位置していて地球上に沢山生息しています。毒蛇も沢山います。

人を救おうとする研究が、多くの人の命を支えています。厚労省を動かして、中和血清を作成して保存しているとのこと。素晴らしい。

こういったものが、医療の原点ではないかと思っています。

2016年10月 5日 (水)

オートファジーとファジー / phagyとfuzzy /大隅教授のノーベル賞

大隅教授がノーベル医学生理学賞を受賞しました。

大学院の頃、神経細胞の細胞死の研究をしていました。細胞には、増殖するだけでなく、周りに迷惑をかけること無く自分で自分を処理して消滅して行く“プログラム細胞死”という方法が備わっています。

また、状況に応じて細胞内のものを“食べるように”処理するシステムが備わっています。これをオートファジー、autophagyと呼びます。autoは自分、phagoは、“食べて消化していくこと”を意味します。白血球などが、他の細胞を食べて消化することをphagocyte(食べるphago+細胞cyte)と呼びます。

ゆらぎを意味するfuzzyとは、ファジーという音は似ていますが、語源がことなります。fuzzyは、“扇風機の風の強さをファジーに変化させる”時や、ファジー理論などのときに使われます。

オートファジーは、生命維持に必須です。

細胞は、栄養が豊富にあって元気なときには、まるまると大きくなり、細胞分裂をして増えていくけれども、栄養がないときには節約モードに入り、さらに、細胞内の様々なものを“断捨離”して小さくなり、生き延びようとします。

細胞内の代謝物や不要物を処理するためにも、オートファジーは必須です。破綻してしまうと、細胞内にいろいろなものが蓄積してしまって細胞死が誘導されてしまう。パーキンソン病やアルツハイマー病など、神経変性疾患と呼ばれるものの研究には無くてはならない、これから解明されるべき未開の分野。神経内科医の私は、久しぶりにワクワクして最近の論文を幾つか読んだりしてみました。

生命には、未知のさまざまな仕組みが備わっています。命を脅かすため廃止せざるをえない役に立たない旧時代の設備に大量のお金を無駄に消耗するなら、命を守り産業を生み出す生命科学に投資していただきたいと願っています。

無駄遣いをせずスマートに前進をすすめるために、日本のしくみにも“オートファジー”が必要かもしれません。

2014年2月15日 (土)

STAP細胞 / 雪の日 / 「迷惑な進化」

STAP細胞作成を世界中の研究者が再現しようとしています。

GFPが光る(Nanog陽性)細胞までは確認できたかもしれないとの報告が掲載されています。GFPは、Nanogの下流にあります。Nanogは山中先生がマーカーとして見つけた物です。分化すると発現が抑制されます。良いマーカーを見つけました。さすがノーベル賞。

私も細胞培養を長いことやっていました。神経細胞培養では、FBSを減らします。栄養が多いと、グリア細胞や線維芽細胞が増殖してしまうからです。神経細胞は、栄養要求量が少ないので、わざと絞ります。逆にがん細胞系のcell lineでは増やして培養します。

細胞の種類と、メディウムの条件の組み合わせは無限にありますが、それを決めることがとても大切です。小保方さんは、幼弱マウスのあるリンパ球だけを集めて実験しました。その後のメディウムも特殊な栄養因子が入っているようです。

個人的には、外界の刺激が細胞内の遺伝子環境を変化させて分化を解除し、多機能を獲得すると言うアイディアは正しいと思っています。生き物が傷ついたときに、その場所に幹細胞が現れるのは、様々な細胞から構成される臓器の再生にとって有利だし、合目的です。肝臓なんかで報告されるんじゃ無いかと予想していました。

決して、突拍子も無いトンデモ論文では決してありません。歴史ある細胞生物学の延長にある研究。STAP細胞の実験の論理エンジンは、大筋では正しい。いつかは、誰かが、何らかの条件で、外界刺激による幹細胞化を実現することでしょう。電気刺激かもしれないし、細胞膜障害やウイルス感染かもしれない。

生き物には不思議がいっぱいつまっています。知られていないことだらけ。
小保方さんは、正しい物を見つけているのでは無いかと思っています。iPS細胞は遺伝子打ち込みなので、どの細胞からでも理論的には可能。STAP細胞は、細胞選別の条件が厳しいと予想します。

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2013年9月 7日 (土)

Midkineの思い出 / 今は無き3研、5研 / 若き先生方へ

Midkine 大学にいたころ、神経細胞死を一生懸命に調べていました。

そのころ、指導していただいた道川誠先生が『Midkineミッドカインという物質が、神経細胞死を防ぐ』ことをアッセイしようと仕事をはじめました。

primary cultureというマウス胎児脳から取り出した特定の神経細胞に、Midkineを投与して細胞死が抑制されるかどうか調査を始めました。

細胞培養室はクリーンベンチとインキュベーターがあり第3研究室、3研と呼ばれていました。ケミカルなアッセイをしたり、液体窒素による細胞保存ができる部屋は5研でした。

窓ガラスがところどころ壊れているような古い建物でしたが、多くの優れた先生が在籍されていました。私は、ものを育てるのが好きだったので、細胞培養にのめりこんでいきました。神田先生(現山口大学)や山脇先生(現京都府立大学)とのちょっと前の接点。

久しぶりにMidkineのことを調べてみると、がん細胞とのつながりや、その後のことがつづられていました。

こちらの建物は壊され、駐車場となりました。研究室は耐震構造を持つ医科歯科MDタワーと呼ばれる最新の建物に移動しました。強固なガラスで守られています。

懐かしい思い出。
ラボでの思い出は、臨床医となった今でも基礎研究論文を読破する力となり、『ベンチから臨床へ』、基礎と臨床の連携を模索する原点となり私を支えています。
メタボの生理学の基礎論文もなんなく読み進められます。
たとえば、AJINOMOTOさんで講演会では、ノザンを利用したRNAの発現を基にしたPPARγのサーカディアンリズムをかみくだいてお伝えしました。

与えられたものに実直に全力を尽くすこと。
未来は予測できないのだから、それしかないこと。頭でっかちになりがちな若者(先生)へ少しだけ伝えたい事がらです。

2013年7月 9日 (火)

東京医科歯科大学神経内科は多様性を愛する「高機能な高分子化合物」

哲学的な思索は、人間にとってとても重要なことです。
抽象化する力や、直観力を磨く訓練になりますし、
その時点での自分のモヤッとした感覚を明確な言葉でピン止めすることができます。

教授をはじめとした首脳陣の先生方からお話をうかがう一方、
若い先生方ともたくさん話しをして、
東京医科歯科の神経内科の多様性を愛する姿勢を一言でいうと何になるのか、
考え続けていました。

私の答えは、「高分子化合物」です。

力を統合する場や光を束ねるような概念も考えましたが、
リアルな物質的パワーを有しているのであまり適切ではない。
あえて分類するなら、
時間とか場といった抽象的ではないものがふさわしいと感じました。
だから化合物。

多くの先生方が強い共有結合から弱いファンデルワールス力ぐらいの力までの
いろいろな力で結合して形作っている。ピッタリなのは、高分子化合物。

この医局は、誰かのために誰かが働くシステムではなく、多様性から生まれる総合力をジェネレーターにしています。水澤教授の方針です。

それはまるで、生物の中でしか作られないような複雑な形をした高機能な高分子化合物。

高分子化合物は一朝一夕には形成されません。
酵素反応の継続により形成され、一度形成されれば安定的な機能を有し続けます。
切れ味のよい高分子化合物の薬剤のように、社会にとても役に立つ存在。

多様性を好むこの高分子化合物は、結合する分子の種類によって進化する。
化合物の側鎖も、常に変化する。

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