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18.ブログと医療

2023年6月10日 (土)

青紫陽花あおげば無限の碧空や

Photo_20230610161301

ブログの更新遅くなって申し訳ありません。俳句を詠みました。

青紫陽花あおげば無限の碧空や

絵や俳句、短歌、人の心をあらわすものに失敗も成功もありません 

人生も同じだと思ってます 生きた生き様そのものが人生
成功も失敗もありません

あじさいの青色が綺麗だったからつぶやきました
秋葉原の道路脇のあじさいは深い青 土壌がアルカリ性

 

そうしたらコメントいただきました
短夜の大好きな時季 大好きな青い紫陽花 ありがとうございます

お礼をいただいたので俳句でお礼を書きました

青紫陽花あおげば無限の碧空や 優仁

あぁ真っ青な紫陽花だ とってもきれい
もう夏(日も長くなり短夜)になったなぁ 
みあげると今日は吸い込まれるような深い真っ青な空 
きもちの良い涼しい朝・・・

紫陽花あじさいは健気だけど強い 美しい女性のようです
乾燥してしおれたりしても排気ガスの多いところでも毎年ひっそり必ず咲いてくれています 
紫陽花めったに枯れない強い植物だと思います 
野にあれ・・・ 見習いたい・・・

自由にすれば良いと思います 健康に生きて楽しく歌や詩を謳って(うたやうたをうたって)暮らしていきましょう 
焼き捨てて日記の灰のこれだけか
しぐるるやしぐるる山へ歩み入る  種田山頭火

 

☆☆☆

昨年はこんな句を詠んでいました

画像

咲く明日を蕾さきどり青あじさい 優仁

咲いている紫陽花も美しいのですが、直前のつぼみは色彩豊かできれいです。特に色が深く、キレイな青色です。女性の夏の着物の帯になりそうなぐらい美しいって記しました

短歌にしていきました

男性の句
青紫陽花あおげば無限の碧空や 
青紫陽花あおげば無限の碧空や 君に会うたび広がる風景 



受け取った女性の返礼の俳句
私なぞ夏の海原に揺れる舟

そして女性の短歌
私なぞ夏の海原に揺れる舟 吾が君と見る紺碧の夢 

 

並べて

青紫陽花あおげば無限の碧空や 君に会うたび広がる風景
私なぞ夏の海原に揺れる舟 吾が君と見る紺碧の夢 

 

 

今年は無限の可能性を秘める女性と海原に漕ぎ出して新しい世界を見つける男性のうたにしました

男性は女性の中に自分だけでは獲物をとりにいくばかりで殺風景になりがち
女性に足りない安らかな未来の広がる風景や精神的おちつきを得ます

僕は女性の気持ちはわからない でも俳句や短歌で聞いたことがある印象を短歌にしました

男は物理的な力はあってやれないところに突入していって見えない新しい風景を女性にもたらします

そして落ち着いたところで大好きな人と眠る時
透明なインディゴブルーの海の紺碧の夢に一緒に漕ぎ出していきます

 

☆☆☆

米国は最近おかしなことになってます。子供の性成熟を停止させる薬剤を用いたり希望の性転換させたり・・・

日本も生物学的なものから遊離して性を自称したり。仕方のない方は仕方がないけれど繁用すべきものでもありません。

 

僕は、健康的な性のあり方を混乱させたり破壊することは生物としての人間の再生産の否定であり人口減少による国の破滅を生み出すとおもっています

若い男性が女性を愛し、女性が男性を愛する
そしてかわいい子供が生まれる
それは生き物として自然なことです

治療と称して遺伝子導入剤で健康的な遺伝子を組み替えたり破壊してその国の人間を細胞レベルで障害したり不妊化したりすることは間違えてます

同じ構造

人間が生物の一つに過ぎないことに謙虚にしたがうこと、いきものとして脈々と世代を超えて世界中でなされてきたことにしたがうこと

それを幸せに感じるようにできています
だったら素直にしたがえばよいだけです

日本に健康的で豊かな未来が訪れることを願っています
若者たちが大好きなひとと一緒になって幸せにつつまれ、未来が豊かになるよう願っています

2021年10月 2日 (土)

ALSが治る未来 / チロシンキナーゼ阻害薬 ボスチニブ

Wcn2021

内服薬のボシュリフ(ボスチニブ)でALSの進行がとまりました。

Drug that stops ALS progression found using iPS cells from patients: Kyoto Univ. team

以前から注目していた薬剤です。

Photo_20211002073001

2年前に血液内科でもないのに、製薬メーカーの方にクリニックに副作用と作用について説明に来てもらったことがあります。

長時間お話をおうかがいして情報を得ていました。治験の結果がキーオープンになりました。

その後いろいろボスチニブやチロシンキナーゼ阻害薬の論文を読みあさりました。細胞内の異常蛋白をへらしたり、シャペロンタンパクへの負担を減らします。その結果、神経細胞保護効果につながる。

シナプスを介したり神経伝達物質を介したりするんじゃなくて、ALSの人の神経細胞に起きている悪循環を断ち切る薬です。ALSで起きているメカニズムそのものを解決するアプローチ。

国際神経学会で発表される予定です。

この治験に入れるように他の治験は避けて患者さんのエントリを検討してもらっていました。予見が当たってよかった。

遅らせるんじゃなくて、止めたんです。飲んでいれば進まない。もう、それで十分。たくさんの人々を診てきて看取ってもきたから涙がでてきます。本当に泣けてくる。

「科学的にALSを制圧することが視野に入ったのではないか」

神経内科医がALSを治せる日がきました。

すごい!!!!!!!!!!

2020年3月21日 (土)

「脳を守る」という軸足

Photo_20200321110201

日本は、油断は禁物だけれどもコロナの騒ぎが一段落しつつあります。今日は、つかのまの休日。これまでの仕事を振り返りつつ、ブログの「秋葉原駅クリニック・お仕事」を整理しました。

「脳を守る」医師になりたいという気持ちで神経内科医を選択しました。当時はMRIも無く、やっとCTの時代。脳に空気をいれる気脳写というものが残存していたりしました。筋肉生検、神経生検を自分で行い、自分で夜中じゅう染色して寝ないで朝プレゼンテーションということが普通でした。今は、きちんと技師さんがサポートしてくださっています。

基礎研究と臨床を並行しておこない、論文をしたためてきました。オーソリティーとリアルなものにこだわって基礎と臨床を行なってきました。論文には査読があります。治療には成績が、出版にはインパクトで評価されます。一つずつ、公平な他者に評価されつつ前に進むという作業を繰り返してきました。

未来はわからないままの、ほふく前進のようなカタツムリのような速度。今もだけれども。

日本各地の医療機関をめぐり医療システムを研究し発表もおこないました。

こどもが医療機関にかかることの怖さを減らす本の依頼を受けて、絵本を描きました。

栄養で脳を守り、薬を減らすということも一貫してやってきました。オメガ3のDHAで脳を守るという仕事は、国際GOEDの会合やDHAラボとして結実しつつ継続しています。地中海食を用いた和食への応用も形になり、続いています。

「栄養を処方する」という理想を掲げ、採算を度外視して管理栄養士さんからの栄養指導をクリニックで続けてきました。管理栄養士さんの教育システムも構築し、臨床栄養協会の理事になりました。

女性たちを苦痛からまもろうと、積極的に頭痛診療をおこなってきました。著書をしたため、国際学会や日本精神神経学会、頭痛学会で発表を重ね、日本全国で医師向けの講演会も行いました。お薬を飲めないときのために、AECウオーターをカンパニーイメージの一つとしていただき採算度外視で継続していただいています。

海外留学のタイミングで、都立病院統廃合のお仕事に就くことになりました。今は亡き新田先生の思い出は2009年にも書かせていただきました。病院ビオトープ構想については、その後反響が大きかった思い出があります。リハビリの先生と論文を書いて、賞をとってくださいました。

薬だけでなく、栄養療法、運動療法、リハビリテーションを統合して、患者さんを治療し、地域医療に大きく貢献したことが出版やBS健康番組につながりました。自分で運動しなくっちゃわからないと思って、運動しているうちに沢山走って泳げるようにもなりました。代謝学の論文も読めるようになりました。訓練。

忙しかったけれど、いつも全力で仕事をしました。万事塞翁が馬、だと思って。お仕事はたくさんいただいたけれど趣旨がちょっと違うタイプの時には「ゴメンナサイ」とお断りしてきました。大切な仕事にリソースを集中してきました。

国家資格を得たいと頑張っている人のために、参考書の監修も継続しています。能力の高い方を世におくりだしつつ、楽しい参考書を安価に出版してベストセラーを続けています。苦しい出版業界の中でも、キチンと良いものを作ることで商業的にも成功するためのシステムづくりをしようと挑戦しつづけています。

患者さんをの守るという軸足のもとに、リアルなものを新しく生み出しつくりだしました。
今もたくさんの人々とお仕事を継続しています。懐かしむだけでなく、その先にやるべきことがたくさんある。

出産後にスタッフが戻られる予定になっています。妊娠出産を経ても、雇用の機会を守り続けるという夢がまたひとつ実現される。

ステルスで作られるフェイクやブラフではなく、こうやって地に足のついた「手触り感のあるリアルなもの」にこだわり続けたいと思っています。世の中、何か仕組みを作って「うまくやろう」とすることは、きっと不可能。キザシにも書きました。

まだまだひよっこ。やらなくっちゃいけないことが沢山あります。小中学生新聞の方や「からだにいいこと」の方にもお話ししました。

サイバー世界の発達で正しい情報が拡散するようになって、皆んなの目も肥えて、かえって世の中が少しずつ職人に有利になってきているのかも。サイバーが発達すると、正反対のリアルが評価されるという不思議。

僕は、地道に人々の健康に貢献できる仕事をしていきたいし、そういう仕事に就きたいと思う人々のお役にたちたいと思っています。何よりも、人を癒す人になりたい。これからも、ずっと。

たまに時間軸で業績をまとめるのも良いかもしれない。

2019年7月20日 (土)

優秀な看護師さん / 勉強する&運動する / 渋谷セルリアンタワーでの講演会

Nsbookrev

クリニックの看護師さんは、北海道大学卒の方や東京医科歯科、順天堂大学卒といったところから来ていただいています。とっても頼りになる方々です。

いま、看護師さん向けの本を監修しています。
監修するためには、勉強しなくてはいけません。さらに、最新の看護技術情報については論文を読んだりもしています。

大きなところをまず、クリニックの看護師さんに見ていただきました。それを受けて、細かな点に修正を加えて前に進んでいます。著者の方も、やる気十分になりました。素晴らしい。看護師さんのお名前もきちんと本にクレジットされることになりました。とってもうれしい。

佐々木先生にも、看護師さんにも、メディアのお仕事を分担してもらっています。佐々木先生も、自説ではなくキチンと標準的なことを論文を読んで理解しやすいようにお話しされています。分野がみんな違うから医療版アベンジャーズ。

昨日は、クリニックのこれまでの経緯をつぶさに見てくださっている医療系の方が大切な部下の方も連れていらしてくださいました。

新しい治療の地平を切り開くところのトップになられたとのこと。本当にすごい。
彼が一番後ろに座るたくさんの聴衆がいらした渋谷セルリアンタワーの会議室で講演をしたことがあります。温厚だけれども眼光鋭い方です。

「先生が講演者だと、満員になるし、いつも場の温度があがります。こんなにたくさんの医師から積極的に質問がでてくる講演者はいません。一つずつ患者さんの問題を解決していっているご自分の経験例を真面目に説明している姿はとってもいい。」とお世辞を承ったことを思い出していました。

「お陰様でいろいろな医療機関さんからも紹介をたくさん受けています」と申し上げました。「大和田くんもがんばってね」と言われた気が。

専門部門で、またお仕事を一緒にさせていただくかもしれません。医療は、毀誉褒貶ではなく地道な毎日の連続です。これまでの長い月日の信頼関係から受診とともに時々励ましにきてくださるのは、本当にうれしい。

運動をして、勉強をして、診療や教育的メディアに備える。
その繰り返し。

昨日は内科的なことではない他分野でご紹介した患者様が、重症化することなく治癒されて退院されたとの報告を帰りがけに頂戴しました。報告書を読みつつ、とてもうれしかった。

毎日、一つずつ。

2019年7月14日 (日)

Chris Brown と Deorro と Bassjackers / intensive ex. day1 and 2 / reading papers about exersise physiology and internal medicine

クリスブラウンChristopher Maurice BrownのPIA MIA。

RUNの時や、HIITの時に聴いています。運動は脳と筋肉の両方を鍛える。

ZUMBAの音楽を勝手にクリスブラウンやDeorro, Bassjackersに変えてトレーニングしたりしています。
映像はapple TVやChromecast、音楽をiphoneやandroidにすれば簡単。

静かな早朝。
ヘドフォンをしてビートの効いた音楽で、論文を読んだりEXをするのはすがすがしいものです。内科のたまっていた論文は、アブストラクトは読み終えました。さらに、取材のために運動生理学の論文を読んでいます。ミトコンドリアの新しい知見や、筋肉が放出するホルモンなども。

Tommorow Landのこの映像は明るくていい。気分が上がる。Above and Beyondの美しさと新しい深いビート。Art of Noiseを聴いていた頃を思い出します。
Deorro とChris Brownのコラボも聞くことができます。

 

今日は、Day2。
あとは、アエロビックなEX。速度やHRは、40台前半か30台後半とほぼ同じところまで回復してきて、ありがたい。
Deep Blue。52:50からのビートや旋律は、やたらかっこいい。

一つずつ。

2019年6月23日 (日)

『のほほん解剖学』/ なんと15万部 / おめでとう!

Nohohon

のほほん解剖学(アマゾンへリンク)が15万部を突破したとのお知らせをいただきました。

いっぺんに売れたのではなく、地道に売れ続けて増刷されています。
苦手なものでもわかりやすく、たのしく、実は、それでいて本格的というコンセプトです。

学ぶというのは、相反するものではなく、本来たのしいものです。

それを伝える力を玉先生は、持っています。
今も、監修のお手伝いをつづけています。

医療に携わる人の、一助になりつづけられるよう、一歩ずつ頑張ろうと思っています。

おめでとうございます!

変わらないものなんてないけれども、だからこそ、見えてくる大切なものもあります。

大切なもの。
それは、変化しても変わらない、その人その人の頭で感じたもの。
断片的にでも、様々なことを承知でお話ししてくれた人々の優しさ。

僕は、医師だから患者様をまもるのは当然だ。
同時に、不思議なことに、たくさんの患者様に守られてきた。
もちろん、他の方々も助けてくださった。

どうやら僕は、偶然にもいろいろなことをご説明したり、説明しようとする人を助けることが上手なようだ。
のほほん解剖生理学もその延長線上。

僕は、すでに次の一歩を踏み出せた。

南部さんと取材をうけた、博報堂の『キザシ』を久しぶりに、つらつら読み返していました。

明日からの診療の英気をやしなうために。

2016年6月 6日 (月)

2006年のころ / 今も続くご縁

Photo_4

共済青山病院の写真を探す必要があり、10年前、2006年のブログを見返していました。山岸伸さんが、当時働いていた松戸のクリニックに来てくださった時のものです。

今では、秋葉原駅クリニックの直ぐそばの神田に事務所を移転されました!! びっくり。 良くお会いしております。

Photo_5 マルハニチロの玉井さんと斉藤さん。
DHAの脳への有用性を、脳神経内科医としてお話していました。それぞれ歴史を経て、昇進されています。同じ目標に向かって今でも協力しあっています。懐かしい!!

Photo_6 サンデー毎日の記事を書いてくださった村田さん。
総合内科専門医として、糖尿病のメカニズムについてお話ししたときのものです。新しい、糖尿病薬や高血圧の薬が登場していた頃で、彼女はいち早くそれを記事にされました。先日、クリニックを支えてくださる会計士さんと御一緒する機会をもちました。

こうしてみてみると、ご縁というのは続いていて、多くの方々に支えられていることをヒシヒシと感じます。

当時、忙しいとか、大変とか、色々書いていましたが、大したこと無いことを大げさに感じていたのだと、反省しています。今のほうがもっとCOMPLEX。

これからも、一歩ずつ、確実に進めていこうと思っています。

2016年5月26日 (木)

RUN-仕事ーSWIM / 爆笑問題さんの番組のお手伝い / 自律神経は乱れないし、骨格もゆがまない

仕事前のRUN、仕事後のSWIMを続けています。
公園で、鉄棒を使った上半身トレーニングを追加していました。仕事後に、SWIM。おとといは、バタフライ300mを含む1000mぐらい、昨日は800mクロールでゆっくり泳ぎました。

RUNー仕事ーSWIM。軌道にのりつつあります。

もともと週末はLSDのエクササイズをしていたのですが、平日にもEXTREMEを始めて数日。そんな中、爆笑問題さんの番組をお手伝いするお電話をいただきました。臨床医療運動・栄養アドバイザーとしても良いお仕事。

林修先生の番組への医学的な少しだけアドバイスのお仕事が一段落したところだったので、調度良いタイミングでした。

こういったお仕事は、臨床医で無いと難しいものです。ニュースウオッチ9、ワイドスクランブルなどの報道番組、ZIPやQさま!!などの真面目な番組の監修をしてきた経験でも、やはり患者さんを沢山拝見してきた結果の演繹が必要。患者さんにもお願いして、エブリィ!やZEROなど色々な番組に登場していただきました。

透明な歯車が噛みあうように、いくつかの仕事と自分が毎日続けているエクササイズが噛み合う日がやってくるなんて、不思議なことです。

東京医科歯科大学の先生たちと良く語り合うのですが、「患者さんのためになる臨床に基づいた正確な情報を発信する」事が大切なポイントだと思っています。

「自律神経」は乱れないし「骨格がゆがむ」こともありません。臨床の専門医にとっては当たり前のことです。「自律神経失調」は「更年期障害」とともに頻繁に誤用されやすい言葉です 。様々なメディアや講演会でお話をしてきました。

血圧や呼吸を見張っている命に直結する自律神経は、強固なシステムです。車のシャーシに相当する骨格も、厳重に靱帯で固定されていてゆがむ事はありません。基本、人間の体はタフにできています。

体が簡単にゆがんでしまうと、筋紡錘からの入力が安定しないので、末梢と脳のフィードバックが不調を来たします。正常な運動を行うことができません。小脳のフィードフォアワードも働かず、イチローのような芸術的運動どころか普段の生活も不可能に。リハビリテーションのスタッフは良く知っています。これらは我々、脳神経内科のテリトリーでもあります。

エセ科学の医療情報の中を生き延びるためには、「航海術」が必要。テレビのプロデューサーさんやディレクターさんと雑談の話題になるものです。聖路加病院の井部敏子看護大学長にもご協力頂いた、共同通信社のコラムの題名を「医療航海術の北極星」(全国紙の検索で図書館で閲覧可能)にさせて頂いたのも、そういった意図があってのことでした。

恐れや不足感をかき立てて、自分のテリトリーに誘導する医療はレガシィ。多くの臨床医たちと共有できる査察に耐えた新しい知見とともに、みんなが自分で行える方法論の希望をともしてくれる医療が新しいトレンド。多くの企業もそう考えるようになってきています。

昨日は、長谷川先生が診療されている間に、幾つか抱えている出版のお仕事の調整を出版社さんたちと行うこともできました。4−5つの出版の仕事が同時進行しています。

夜、プールサイドを蹴って、背面で泳ぎながら水を通して見る室内灯が揺れていてきれいでした。水中の静かな時間は、心を鎮め新たな集中を生み出します。

2016年3月 9日 (水)

「ファウスト」を読み返す / ゲーテの喜び

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ファウストを読みかえしています。

一番、最初は中学生の時。良く分からなかったけれど、おもしろかった。

次は、大学生で筋トレしているときに読みました。ほこり臭いコンクリの備品室ので、ベンチプレスをする合間に読み直していました。夏の汗と孤独、迷いの中でのゲーテ。

それから、ずいぶん年月が流れて、医科歯科の授業や研修医の方達、患者さんの学生さんなど若者たちと接するようになりました。福島でバドミントンや運動に全力を尽くしていた自分と同年代の若者たちです。

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ゲーテは、私の深いところで支えになっています。古い本ですが、手塚先生のこの本にはずいぶん助けられました。

通勤中の時間、ゲーテにひたれる時間が至福のときになっています。筋トレの場所に持っていこうかと考えています。

ありがとう を色々な人々に感じています。

2012年10月 8日 (月)

栄養学の未来 / 肥満の分子生物学

異所性脂肪が炎症を起こすメカニズムは
新しい知見が積み重なっています。
学んだことを忘れないようにまとめておきたいと思います。

東京医科歯科大学の菅波先生のご講演は、
飽和脂肪酸とメタボリックシンドロームについてものでした。

皮下脂肪ではない、内臓脂肪を含めた異所性脂肪は
体に害を与える脂肪組織の性質を持っています。
そのひとつは、慢性的な『炎症』を惹起しているからです。

それでは、なぜ炎症がおきるのでしょう。

脂肪組織は脂肪細胞とその他の組織から出来ています。
特にその中でも重要なのは、マクロファージという細胞です。

マクロファージは要らなくなった細胞を食べてお掃除したりする細胞です。
脂肪を抱え込んでいる脂肪細胞が肥大してくると、
それを取り囲むようなマクロファージが出現してきます。

脂肪細胞を取り囲む王冠のようにみえることからcrown-like structure(CLS)
と呼ばれます。
肥大した脂肪組織の中では、CLSとともに血管新生も行われていて、
脂肪細胞の崩壊と再生のリモデリングが盛んに繰り返されるようになります。

そのメカニズムの一つは、
脂肪細胞が崩壊して放出される飽和脂肪酸がマクロファージに影響して悪玉アディポサイトカインを放出→
さらなる脂肪細胞の肥大→リモデリングによる炎症→
さらなる脂肪組織内の飽和脂肪酸の増大→
という肥大した脂肪組織の中では慢性炎症を継続した悪循環に陥りながら
さらなる肥大が起きていくというメカニズムが働いているらしいことが分かりました。

その中でも重要なのは、TLR4(Toll-like receptor 4)というレセプターを介した、TNFa放出による慢性炎症でした。
もともとTLR4は細菌の細胞膜成分LPSに対するレセプターとしてクローニングされたのですが、脂肪細胞や膵臓β細胞表面にも発現していて、
脂肪細胞の増大やインスリン抵抗性の面からメタボリックシンドロームでも注目されています。

さらに、お話は脂肪組織のマクロファージには古典的なM1Φ(ファージ)だけでなく、M2Φによるものに進んでいきました。

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